38話 ページ9
コビーside
現在10時30分程
A中将が会議室へ入ってからもう数時間経つ
そろそろ会議も終わる頃かといつも通り、Aさんが好きなお茶を入れて用意している所だ
でも、この状況…どうしたらいいんだろ、、
僕の方が多分早く給湯室に来ては、お茶の準備をしてたのだが少し後にバナーさんも入ってきては、黙々と同じお茶を用意している
つまりA中将へのお茶を2人して2つも作っているのだ
「(…僕の事、気づいてないのかな、？)」
き、気まず過ぎる…
でも、待てよ
A中将の物とは決まっていないじゃないか。もしかすると、別で急に頼まれたのかも
そういう事は良くある事だ
でも、どう確認すればいい？…聞いてみるか？
〘 すみません、バナーさんそのお茶はどなたへの物ですか？〙
〘 …A中将ですが。
コビー大佐は、誰のを作ってるんですか〙
…どうしよう。、う、うーん…
「コビー大佐。もうすぐ会議も終わると思うので、俺が中将にお茶渡してきますね」
「あ、わかった。」
…悶々と考えている内に、先を越されてしまった
僕のバカ！これで僕が作ったお茶は渡せなくなったじゃないか
「それと、これからは俺が中将の周りの事を補佐していくので、コビー大佐は大佐の仕事をお願いしますね」
そう言っては、給湯室から出ていったバナー中佐
「はぁ〜…、」
湯気のたつ淹れたてのお茶を横に、行儀が悪いが机に肘をついて落ち込む
言いたいことを言われるだけ言われてしまった
僕もあれくらい機敏だと少し強引でも、仕事も上手くいったりするのだろうか
まだ、彼らが移動してきて1日も経っていないのに、何だかA中将とどんどん離れていってる気がする
もっと酷くなったらどうしよう…
お茶が入ったカップを持ち、お茶の水面に映る自分は何だか酷く寂しそうに見えた。何故だろう
「(Aさん、もっと貴方を知りたい…
もっと貴方と話したい…もっと
貴方に触れたい)」
いつもみたいに朝から貴方にお茶を渡せなかっただけで、この有様だ
「(僕ってこんなに嫉妬深かったかな…)」
そう思っては自分で入れたお茶を喉へと流し込んだ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここから先、ちょっと拗らせコビーと絡ませたりする予定ですので、苦手な方はUターンをお願いします
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作者名：夛湖 (たこ) | 作成日時：2023年7月30日 0時
