海の猟犬2【onepiece】 (ページ38)

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番外ハロウィンページ38

『もぉ〜…そんな怒らなくても』

燃えカスになったカチューシャが、パラパラっと手のひらから零れていく

サカズキさんへの悪戯は残念ながら失敗に終わった
やはり難易度が高い

こうなれば、次だ

「あら？Aじゃない。偶然ね」

『あ、ヒナさん。偶然ですね』

「こんな所で何やってるの？また、何か企んでるのかしら？ヒナ疑問」

次の標的を考えていれば、ヒナさんと出会った
腕を組むと、より一層赤いスーツが引き締まりスタイルの良さが際立つ

『嫌だなぁ、ヒナさんまで…。今先程サカズキさんにボロくそ怒られたばかりで、流石の僕も凹んで何も出来ないよ』

「そう？ならいいのよ、呉々もハロウィンだからって悪戯はしないようにね。スモーカー君が君の事心配してたから」

『勿論♪大丈夫ですよ、心配しないで』

そう言うと、安心したのか綺麗な笑顔を残して離れていったヒナさん

へぇ〜、あの煙が僕の事心配してたんだ笑
いいこと聞いた

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

「そう言えば、スモーカーさん。今日は彼、何時もより静かですね」

「其の儘、何事も無く終わってくれればいいんだがな」

ハロウィンになれば活発化する奴の噂をする

去年は本部の廊下に油を撒き散らし、散々だった。サカズキ大将が噴火すれば大火事になる為、部屋から出るに出れず奴を捕らえるのに時間がかかった

一昨年は、本部内の電球全てパーティーライトに差し替えられており、普通の電球に変わるまで約2週間、本部内が光り輝いていた

何をどうすれば、そんなくだらない事が思いつくんだ

だが、言われてみれば今年は今迄より静かだと思う
悪戯のレベルが落ちたのか、それとも嵐の前の静けさなのか…

嫌な予感がすることには変わりは無い

新しい葉巻に火を付け、煙りを吹かすと気持ちが和らいだ
手元の資料も先程よりか見えやすくなった気さえする

コンコン

「？誰でしょうか」

『…ｳﾞｯｳﾞﾝ、スモーカー中将にご用事が』

「誰だ？」

聞いた事のない何処か無理している様な野太い声
新兵か…？

そう思い、ドアを開けた

目の前には、何故かホースを持ったあの馬鹿犬

『煙だ！火事発見…！！』ﾌﾞｼｬｯｰｰ!!

「ス、スモーカーさんｯ…！」

「…」

『うはははっ！能力者だから力が抜けるだろ！』

びしょ濡れになった俺の姿を見て、腹を抱える奴。ここまで来ると悪戯では済まない

折角の葉巻が台無しだ

『…、ｧ｡やば、』

ハロウィン終わっちゃった