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番外 ハロウィン ページ36

ついに来たか…、この日が。

街が黄色やオレンジ、紫色に染まり、夜になると昼間より一層栄えると言っても良い日


Trick or Treat。そう、ハロウィンだ…!!

その日は特別、悪戯が許される日。いつも何時間と説教されるもこの日だけは、怒られようが怖くない

何故って、そういう日だから

街をうろつく僕も、どうイタズラしてやろうかと考えれば楽しみで、ニヤケが止まらない

いつもより足取りが軽い気さえする

『さて、まずは誰で楽しもうかな♪』
やはり、大佐殿。コビーだろうか?ヘルメッポか?
因みにあの2人、バナーとツバキは他任務で居ない


悶々と考えていると、バタバタと走ってくる子ども達に道を塞がれた

可愛らしく、仮装もしている

「海兵さん!Trick or Treat!!お菓子くれなきゃイタズラするぞ〜!」

『ふは、可愛いお化け達だね。でもイタズラされるのは困るなぁ…そうだ、コレで許してよ』

先程、ついでと買っておいたゲロ甘激甘キャンディ。いつか悪戯で使うつもりで買っておいたのだ

「わぁ〜!ありがとう!海兵のお兄さん!」

『いいよ〜、怪我しないようにね』

最後は頭を撫でてやり、その場を後にした。やっぱ子どもは可愛いな、癒される

もうすぐ街もぬけて本部に着きそうな頃、仮装する人たちを見て、僕もしたくなってきた

何かあったかな…?顎に手を当て考えていれば、もう自室に着いた

そういや、斧が刺さったカチューシャがあったと思い、探し出しては身につける

するとノック音と共に扉が開いた

「A中将、この書類なのですが…」

『やぁ!Trick or Treat!!』

両手を広げ彼の前に差し出すも、「どうぞ」と面倒臭い書類を差し出してきやがった

『…、分かった。お菓子をくれない君が悪いんだ。君が僕にこうさせるんだ…イタズラしてやる…!』

「Aさんは、お菓子を渡しても悪戯する悪質なお化けって言うのは聞いているので」

なんて失礼な。まあ、間違ってはいないけど
最近、僕の扱い方に慣れてきたよなぁ…コイツめ

『こんな書類よりも、もっと楽しい事しようよ。槍バージョンのカチューシャ貸したげる』

「要りません」

即却下された、悲しい。諦めて自分に付けた

「それより、書類の件ですが…」

よくもまあ、そんなペラペラと仕事の話が出来るものだ。コビーの言葉は、僕の右耳から入って左耳から全て抜け落ちている


『偶には糖分も取らないとだよ』
えいっと、コビーの口の中にゲロ甘キャンディを突っ込んだ

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作者名:夛湖 (たこ) | 作成日時:2023年7月30日 0時

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