検索窓
今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:9,256 hit

59話 ページ30

青筋を立てて、中将に殴りかかる少女
もう、可愛らしい要素なんてひとつも無い

『うはっ、こわ〜笑。可愛い顔が台無しだ』

「殺す殺す殺すッ!!」


相変わらず、攻撃を避けるだけの中将
それが少女にとって余計腹が立つのだろう


『もっと遊びたいけど、時間が無いからここまでにしようか…なッ!!』

勢いをつけて回し蹴りを少女にお見舞いする
壁に打ち付けられた少女は其の儘ダウンしたようだ



「…ッ!」

「ヘルメッポさんッ!僕が分かりますか!?」

少女が気を失ったからか、目を覚ましたヘルメッポさん
目の色も元の色に戻っている

良かった…、


「あ、嗚呼。って、一体何なんだ!?ここ!?」

「良かった…本当に良かった…!」

『やあ、おかえり。さっきの僕の言葉覚えてる?』


中将の質問にたいして、?を浮かべるヘルメッポさん
それを見て、『分からないならそれでいいんだ』と何事も無かったように、笑って誤魔化す


「(さっき、ヘルメッポさんにとってまあまあ失礼な事言ってたもんな…事実なんだけど、)」

『よし、全員いるね。時間が無いから、アレが目覚める前にここから出るよ』


イヴさん含め、一人一人の顔を確認して扉を出ようとした時だった

バタンっ!と扉が閉まる
気づくと、あの少女が俯きながらゆらゆらと後ろで立っていた


「ねぇ、私がこの島の化け物って言われる理由知りたくない?だーれも、その姿を知らないって言うのも気になるでしょ」

『僕は、気にならないかな』


また、無駄に相手を怒らせるような発言をする中将
「(もう、やめましょうよッ!!)」


「ふふ、貴方は本当に人を怒らせるのが得意なのね。
いいわ、今すぐ殺してあげる。みーんな、仲良くね」


そう彼女が言った瞬間、黒い霧が僕らを包み込んだ
器官に入って噎せる


目を開けると、僕以外の誰も居なかった
気配は感じるので近くに居ることは分かった


僕に戸愚呂巻いた黒い霧が徐々に形を変えて、その姿を露にした


好意を寄せながらも実は、ある恐怖の対象である相手を前に立ち竦む


「Aさん…、」


僕の呼び声に反応し振り向いては、にまぁっと笑う
何処か狂気じみてる


僕はAさんと戦うのが怖い
元海賊でありながら、中将の座まで上り詰めた実力
優しい普段の様子から垣間見える無の表情


心の片隅で感じていた怖さ


ゆっくりと僕に近づいては、肩に手を置き耳元で小さく

『ふーん、僕の事、、怖いんだ』


まるで蛇に睨まれた蛙のように動けなかった

60話→←58話



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
71人がお気に入り
設定タグ:onepiece , 海軍 , コビー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夛湖 (たこ) | 作成日時:2023年7月30日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。