海の猟犬2【onepiece】 (ページ29)

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58話ページ29

「ごホッ、ヘルメッポさん…、」

壁に打ち付けられ、悲鳴をあげる体を無理に動かすとミシミシと嫌な音がする

ヘルメッポさんとは、特訓で鍛え合ってきたがこんな威力を発揮されたのは、初めてだ

バナーさんが、ツバキさんを降ろし応戦するも苦戦してる

…あの少女がヘルメッポさんを操っているのか？

幼い子に攻撃するのは気が引けるが、彼女が何かしているとしか考えられない

「ｯ剃！！」

「ｸｽｯ、旦那様」

今までバナーさんと戦っていたはずのヘルメッポさんが、凄い速さで少女の盾となる

親友を傷つけたくない気持ちが勝ってしまい、意識と身体がズレてバランスを崩す

「ｳｸﾞｯ！」

一瞬の隙を突かれ、首を掴まれ地面へと押さえ付けられた

呼吸が出来なくなる前に、ヘルメッポさんが掴む手を掴み返し、呼吸器を急いで確保する

「(すごい力だ…！)」

冷静になれない脳で必死に考えるが、良い打開策が浮かばない。どうしたらいいんだ

ﾊﾞﾝｯｯｯ！！！

その時、あの重い扉が勢いよく開いた

『この扉、おっも笑』

「Aさん…！」

僕の顔を見るなり、ニコッと笑い呑気に『何してんの？』と聞いてきた中将

「…あんた誰？」

また、邪魔者が増えたと言わんばかりに嫌な顔で中将に問いかける少女

『そうだな、君が虐めてる彼等の保護者』

「ふーん…旦那様、その男はいいわ
まずあの面倒くさそうな男を殺しましょう？」

少女がそう言った途端、コビーから離れるヘルメッポ
苦しそうに噎せるコビーより、驚きの呼称に反応した

『え、ちょっと待ってw、旦那様？旦那様って何？？笑』

ヘルメッポさんの攻撃をのらりくらりと避けては、お腹を抱えて笑いを堪えている

その様子に、段々とイラついている少女

『いやぁ、面白いね笑。まるで囚われの姫だ
でも、いいの？彼を旦那にするのはオススメしないなぁ』

少し素早くなっても、中将には適わず取り押さえられるヘルメッポさん
まだ目が赤いところを見ると、催眠は解けてないんだろう

『彼が僕の部隊へ移動する前に上司から聞いたんだけど、昔は嫌な坊ちゃんで、子どもが作ったおにぎりを踏み潰したり、父親を盾に好き放題してたってのも聞いたよ』

間違える程、よく似ているんだね笑と中将が嘲笑った途端に血相を変えて怒鳴る少女

「ｯ旦那様は、そんな事しないわ！！侮辱するな！！
お前なんか大っ嫌いだ！殺してやるｯ！！」

少女が怒りに任せ、中将へと飛びかかる

『お、僕にする？』