海の猟犬2【onepiece】 (ページ24)

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53話ページ24

コビーside

「そんな事があったんですね…」

僕はイヴさんから、Aさんの海賊時代の事を聞いた
それは、悲惨な内容ばかりだった

僕もアルビダに捕まっては、辛い日々だったがそれを上回る程の事を強いられていた。正直耳を塞ぎたくなる内容もあった

ちょうど話の区切りがいい頃、ﾄﾞｺﾞｫｵﾝと地響きのような音と揺れが僕達を襲った

「な、なんだ…！？」

「…」

ハッと周りに目をやると、先程まで人で溢れ返っていた広場はがらんとして、僕達を含め数えられる程の人数しかいなかった

どういう事だ…？今の揺れは何だ？
嫌な予感から、今まで収集してきた当てはまる情報を頭の中で思い返していく

「…貴方、何も知らないの？この島の事、
薄々感じてはいたけど、志願者ではないのね」

「ぇ、どういう…、。」

「この島は今、トート島と繋がった。島は動くの、そしてこのノーブルにいる人は皆、化け物に殺される」

衝撃だ。そんな事まで聞き出せなかった
ログを貯めて向かうとばかり思っていたから、計画を狂わされた気分だ

「は、早く逃げましょう…！」

僕は手をイヴさんに出したが、一向に掴まない様子に首を傾げた。首から流れる汗が、非常事態を告げる

「…私は行かないわ。貴方だけ逃げなさい」

「な、何言ってるんですか…！？死んでしまいますよ！」

「…そうよ、私は此処へ死にに来たのよ」

最後に貴方と沢山話せて嬉しかったわ。とくすんだ瞳で微笑むイヴさん

見捨てるなんて、僕にはできない

「ｯ…！！」

強引だったが、腕を引いて彼女を抱き上げる
後ろで下ろして！私は死ぬために来たのよ！と暴れるが今は外へ出ようと、出入り口を探す

「下ろしなさいｯ！！もう遅いわ！私も貴方もここで死ぬのよ。化け物ももう目を覚ましているわ！」

「そうだったとしても、僕の仲間がまだここに居るんです！まずは合流して状況を伝えないと…！」

走っている時に窓から見えた景色、それは全く異なった

初めは、窓に映るのは何一つない海だけが広がっていたが、今はおどろおどろしい島が目の前に佇んでいる

「電伝虫を使おうとしても無駄よ、ここは回線が悪いから繋がってもちゃんと聞こえないわ…！」

そう言われようとも、この非常事態を伝える為ヘルメッポさんへ電伝虫をかける

ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…ｶﾞﾁｬ

「ヘルメッポさんｯ！！
大変だ！今すぐここから逃げないと…！」