海の猟犬2【onepiece】 (ページ18)

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47話ページ18

「ぼ、僕は…海軍です」

言ってしまった…、どうしよう。この人が言いふらしたりでもすれば、僕だけじゃない皆にも迷惑がかかる…！

やってしまった…と心の中で頭を抱えていると、明るい声が返ってきた

「あら、そうなのね。海軍が来ているってことは何か任務かしら？別に言いふらしたりしないわ、得な事も無いし」

言いふらさない。そう聞いて安堵した

「私は、イヴラ･ダルベール。イヴって呼んで頂戴」

「僕は、コビーと言います」

名前を言った瞬間、コビー！？貴方、大佐よね！確か噂の英雄の子よね！！と急にテンションが上がるイヴさん

「そうだ！海軍大佐なら知ってるかしら？
Aって子…海軍にいてたりしない？」

え…、何で急に

Aさんのこと

「どうして…ですか」

「私、昔あの子と同じ海賊団に居たから。あの子がいつも通り敵船へ向かったまま帰って来なくなった時に、私もあの船を降りたの

噂でしか聞いてないけど、海軍になったって…」

「そうですか…、」

「…助けてあげたかったの、本当は。あの子は私と似通った所があったから余計にね」

そう、瞳を閉じて言うイヴさん。きっとその頃の事を思い出しているのだろう

「中将です…今A中将は沢山の人を救っています」

正直迷った。イヴさんが言っていることが本当かなんて、僕には分からない

でも、多分この人はいい人だと思う。僕の感がそう言っている

「中将…、本当なの？すごい…！すごいわ！！」

目をキラキラと輝かして、僕の手を握るイヴさん
僕はと言うと、あまりの近さに恥ずかしくて顔に熱が籠る

「良かったわ。あの子が心残りだったの」

「あの…海賊時代のAさんの事を教えてくれませんか」

「あの子から聞いていないの？」

「Aさんにとって辛い日々だった事を、Aさんの口から言わせたくない…

思い出させたくなくて、聞けないんです」

そう…いいわ、教えてあげる。と少し考えた後、すぐに了承してくれた

「ありがとうございます…！」

「その代わり、あの子に伝えて頂戴
私は、貴方の幸せを願い続けていると」

力強い暖かいイヴさんの瞳に僕は息を飲んだ

「分かりました、約束します」

「ええ、約束よ」

まるで、僕たち2人を囲う空間があるかのように、しんとした空気が流れた

周りの物音なんて聞こえない程、僕はイヴさんの言葉に集中していたんだと思う

僕はもっと貴方を救いたい

そしたら、もっと貴方に寄り添える