海の猟犬2【onepiece】 (ページ11)

今日:20 hit、昨日:36 hit、合計:9,303 hit

40話ページ11

「はぁ…(何やってんだろ、僕)」

外の風に当たっていると、少し落ち着いた。もう日はとっくに沈み、今は静かな夜だ

相変わらず本部内は忙しい為、明かりは所々着いている。
普段ならその内の一つは、僕の部屋の明かりだけど…
今はただ、風に当たっていたい

あの時、僕の醜い嫉妬でAさんを汚してしまうんじゃないかと…だから触れて欲しくなかった

あの人は、真っ白だから

きっと何色にでも染まってしまう

だから余計に僕が守ってあげたい、傍に居たい
僕の方が弱い立場だけど、それでも…

ﾊﾟﾝｯｯ！！

「うわっ！！」

『うはは、びっくりした？』

「…A中将、」

背後からクラッカーを鳴らされ、心臓が飛び出そうな程驚いた。しかも気配が全く感じられ無かった

見聞色の覇気は使いこなせるのに

『こんな所で何やってるの？なんにも無いよココ』

「…ほっといて下さい。僕も落ち込む事だってあるんです」

ふーん、と聞いておいて興味が無いのか肘を着いては、暗い海を眺めるA中将

「ふーんって…、な、何しに来たんですか」

素直になれない自分に腹が立つ
態々、来てくれているっていうのに

『…君を慰めに来た

(…え、態々僕を慰めに…？)

…と言うとでも思ったか

悪いけど、僕そんなに優しい人じゃないんだよね』

ずっと慰めてもらう側だったし笑
そういう気遣いって難しいし、僕出来ないから！と言うと夜にも関わらず大声で笑うA中将

『まぁ、クヨクヨされて今後に影響されても困るし…
シャキッとしろ！！君は真面目で顔も良いんだから、またいい人見つかるって！！』

「ぇ、あの…」

『失恋がなんだ！誰にでもあるそんな事！
僕は女性は苦手だから分かんないけどッ！』

まぁ、元気だせって…と肩を叩いてくる中将

「(何か…勘違いしてる？失恋した覚えないは無いけど…
え、ある意味失恋なのか？僕、そろそろ泣きそうです)」

『でも、君が失恋の痛みで傷ついていようが、無かろうが関係ないんだよね笑

僕は話をしに来た。今日の会議内容の件でだ』

そう言うと、Aさんの目付きが変わった
本当はヘルメッポさんから聞こうと、頼んでいたのだが今その事を言える空気感では無かった

『ある海賊達の名前が会議で挙げられた。そう、あの時話した奴等の事だ

今すぐ、殺してやりたいのは山々なんだけど…今回、関係する奴等への任務は降りる』

「どうして…」

『君達を強くしてから殺しに行く』