海の猟犬4【onepiece】 (ページ10)

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124話ページ10

ヘルメッポside

「へぇー！中将に会えたんや！良かったやん！！」

「まあまあ元気そうで良かったな」

「その…大丈夫だったか？」

バナーが聞きたいのは、飲ませた薬の作用の事
あの日からコイツはずっとそれを引き摺ってるから

「嗚呼、会話もちゃんとしてたし良くなってきてるはずだ」

「そ、そうか…！良かった、」

…、天竜人の件は誰にもまだ言えていない
正直どうしたらいいのか、全然分からないんだ…。

悶々と考えていれば、ドアが開きコビーが戻ってきた

「うおっ、お前顔色悪いぞ…！？体調でも悪いのか…！」

「いや、大丈夫…」

どう見ても大丈夫では無いだろ…そう思いながらコビーが前を通った瞬間、ここからでもすぐに分かるくらいに、血の匂いがした

「ｯ、お前血の匂いがすごいぞ…、本当に何があった！」

「…ｳﾞｯ…！」

口を抑えて、嘔吐くコビーの背中を摩ってやる
ツバキもバナーも急な出来事に、驚いている

「…ｯごめん、もう大丈夫……」

「嘘つくなよ…、！」

「風呂で匂いを落として来るよ…、」

そう言い残すと、着替えを持って部屋を出ていったコビー
…まだ鉄の香りが凄い

本当に何があったんだ

「何か、凄い獣みたいな匂いやな…狩りでもしたんかな」

「んな訳ねぇだろ」

「…ごめん、俺ちょっと外に出る。、酔いそうだ」

確かに、コビーが部屋へ入って来た一瞬で匂いが充満した
胃がムカムカする様な気持ちは、よく分かる

「(中将の…血？)」

まさかな

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コビーside

さっきの出来事をかき消す様に、頭から思い切りシャワーを浴びる

ゴシゴシと顔を水で洗うも、鼻に残る血の匂いはまだ取れない

「はぁ……、」

体を綺麗に洗い流し、湯船に浸かると溜まった疲労が解れて、気持ちが良かった

世間がエデンの事で騒いでいる今、Aさんの全ては僕らにとって凄く貴重で珍しいものだ

多分、身体の作りも細胞も僕達とは少し異なってある意味、人間とは別の種族としての存在になるんだろう

ふと自分の腕を見てみる。皮膚を噛み切る程の咬合力…それは幻獣になれるからなのか

ｶﾞﾌﾞｯ

「ッ…、はは、凄いな。無理だ」

くっきりと歯型が残った腕をみて、会えなかった1ヶ月半もの間どう過ごしてきたのかと思い耽る

「ずっと独りで…、」

耐えてきたのか