海の猟犬4【onepiece】 (ページ48)

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156話ページ48

病室のベッドで横たわる、白い2つの膨らみはネモとローダだったもの

ベッドに縋り付き、泣き崩れるアイビー

僕は呆然と見つめるだけしかできなかった
ローダと交わした約束は、果たされることは無い

その日を境に、冷静沈着でいつも率先垂範していたアイビーが壊れていった

『…アイ？』

「…」

『せめて、明かりはつけようよ…。お腹空いてないの？』

部屋の電気もつけず、ただ閉じこもるアイビー
昨日持ってきた夕食も、一切手をつけていなかった

『ねぇ、アイ…？僕の事見て』

廃人とはまさにこの事…。あまりの変わりように視界が滲む

『僕の…せいなんだ…。2人を殺した連中は僕を連れ戻しに来たハリルの使いだった

僕が2人を殺したのと同じだ…。ごめんなさい』

「そうか…、そうだな。」

『…ぇ、』

「お前のせいだ。、お前が面倒事を持ち込んだから2人は巻き込まれたんだ…！お前が居たからお前が、お前がｯ…！」

仕方ないって思った

自分には不利な経歴がある

それでも、そうだったとしても…そんな事ないって

嘘でも言って欲しかった

…なんて思うのは、やっぱ虫が良すぎるよね

『…ごめん、なさ「なんて思ってもないんだろうな」

僕はこの目を知ってる

失望した、諦めた、そんな軽蔑の目。任務を拒んだり、失敗した度に向けられた視線がハリルの目とよく似ていた

古傷が酷く疼く

『ここに僕はいない方がいいね…、今のアイは僕の事見てくれないだろうし…。邪魔だったね、』

「ッ、待ってくれ…！！すまない…、すまないｯ！！シロ、
私はなんて事を君に言ってしまったんだ…！？！」

もう既に精神的にも限界が来ているアイを、可哀想な目でしか見ることが出来なかった

「私はただ、…もう誰かが居なくなるのが耐えられない…！
シロ、お前は私を置いていかないでくれ…！！頼むから、」

『アイは疲れてるんだ…、少し休みなよ』

「嫌だ…、お前まで居なくなったら私は…、私はｯ！
そ、そうだ…！シロ、私と一緒に死のう！！

そして、2人に会いに行こう！なんていい考えなんだ、！」

『ぇ…あ、ちょっ…！とまっ、て！！…ゔｯ、』

「大丈夫だ、シロ。私もすぐ行くから先に待っててくれ、」

僕は子どもで、アイは大人

やはり、大人の力には勝てなかった。加えて、相手はアイ

抵抗する事はアイを否定する事になると思って、余計抗う気にはなれなかった