147話 ページ39
いつも通り金品を奪う為、暗殺を命令された
バレないように忍び込み、樽の中へ隠れていたけど船の揺れが心地よくなって、そのまま眠った
そして気が付けば、白い服を着た人達に囲まれていた。暗殺のターゲットだった、ヌーブという男をみると為す術なく捕まっているではないか
『(……失敗か、)』
「君、名前は」
見上げると、他の人と違い白いマントを羽織った人。この人がこの白い服の人達のボスなのかと思った
特に話すような事も必要も無いので、無言を貫き通した
なる様に身を任せていれば、縄で体を縛られ大きい軍艦に乗せられた
…夜までに帰られるだろうか…怒られてしまう
ペラペラとよく喋るこの男。何のつもりかは知らないが、頭に手を乗せようとしてきたので、避けた
そして、目的地に着いたのか軍艦から降りると今まで見たことない程に大きい建物が、そこにあった
静かについて行けば、この組織のボスであろう人の前に連れてこられた
「君が、ヌーブ海賊団の物資に紛れ込んでいた子どもか。私はここ海軍本部元帥のセンゴクだ
まず、君の名前を聞こうか」
『…』
その後も色んな質問をして来たが、答える気なんて更々ない
そんな僕の様子に困り果て諦めたのか、この落ち着かない部屋から離れることが出来た
…どこから逃げられるんだろう
来た場所を戻るにも、ここは人が多過ぎる
どう抜け出してやろうかと考えていれば、アイビーと名乗る男が困り眉で近づいて来た
「あ〜…、今日から君を保護という形で世話係になった。まぁ、これから宜しくな
えーと…、名前が無いのは不便だよなぁ…、」
別に名前が無いわけじゃない。言う必要ないからだ
それに、保護されるなんて冗談じゃない
帰らないと叱られる
「髪も肌も白いから、そうだな…よし、決めた
君は今日からシロだ!うん、実に分かりやすくて良いな」
『…』
「よし、シロ。今日から私と毎日特訓だ、認められれば立派な海兵として迎えられる!…その日まで一緒に頑張ろうな
と、その前に綺麗にしようか!」
片手で抱えられ、湿気の多いところに連れてかれた
ゴソゴソと隣で服を脱ぎ出すアイビーを見つめていれば、「お前も脱ぐんだよ」と雑に服を脱がされた
「はぁ〜やっぱ風呂は生き返るなぁ…な?シロ」
『…』
「…やっぱだんまりかぁ」
ガクッと頭を下げ落ち込むアイビー。馴れ馴れしくするつもりは無い、兎に角ここから早く出たい
夜までに帰らなきゃ
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作者名:夛湖 (たこ) | 作成日時:2023年12月24日 14時