海の猟犬4【onepiece】 (ページ35)

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番外編ページ35

《煙草》

ﾌｩー…

「あ、Aさんまた煙草吸ってるんですか」

『ん？ああ、ずっと辞めてたんだけど偶にね』

船の手摺に肘かけて、静かに煙をはくAさん

絵になって凄くかっこいいんだけど、僕としてはあまり吸って欲しくない

「煙草は体に毒だって、スモーカー中将に聞きました。あまり吸わない方が良いのでは」

『ん〜、そうなんだけどさぁ…。今日は、あるドジな上司の命日何だよ』

君がここに来る前の話になるね。と目を細めてこちらを見る

ドジな上司…、一体誰の事なんだろう

『そういや彼に影響されて、吸うようになったっけ…』

「そうだったんですか。…どんな方だったんですか」

『一言で言えば、ドジ。それしか無いね笑
煙草吸ってるだけなのに、火だるまになったりしてたし』

「え、えぇ…」

それはもうドジって言える範囲なのか…？聞いているだけで心配になった

『あの人には世話になったからなぁ…。最後にでもお礼が言えたら良かったんだけど、間に合わなかった』

「…でもAさんの体が弱るのは僕は、嫌です…、」

『あ。』

そっと、Aさんの口から煙草を取った

煙が舞う中で薄ら笑みを浮べ、『君にはまだ早いよ』と何処か寂しげな表情をする

「僕がその方の分まで、Aさんを支えます」

『…ふふ、そう。安心だね、なら少し大人になってみる？』

「んﾞッ」

『煙草を吸う彼はとてもカッコ良かった。それこそ、大人って感じでさ』

取り上げた煙草を僕の手から取り抜き、僕の口に咥えさせた

何だか、マウントを取られた感じがして悔しさから、吸ったこともない煙草を思いっきり吸ってみた

「ゴホッゴホッ！」

『はははｯ！そんなに一気に吸うものじゃないよ！』

「ごホッ、そんなに笑わないで下さいよ…！」

涙を浮かべるくらい笑うAさん。……悔しい、！

『はぁ…、笑った。あ、無理して吸わない方がいいよ』

「フゥー…ｯ」

『わ、…。君、それをする意味知ってるの？』

「知りませんけど、僕ももう大人です！子ども扱いしないで下さい」

油断していたAさんに煙を吹きかけてやった。驚いた顔が見られたので、してやった気分になった

『はは、…無知な大人は怖いねぇ』

そう言うと新しい煙草を取り出して、僕が咥えている煙草の火に先を当て火を灯すAさん

何か…、恥ずかしい

普段はカッコイイのに、偶に見せる可愛さは本当に狡いと思う

その後、大佐がグレたと噂され大変だった