141話 ページ28
夜明け頃__...
「全く、話しても分からん奴らだえ。めぼしい所を手当り次第探して、エデンを見つけた方が早いえ」
聖地マリージョアへ帰ろうと、レッドラインに向かう船に乗り込む直前、誰かが船の前に立っている
夜明けということもあって、日も出ておらず姿が暗く見えない
「誰だえ!儂の前に立っているとは失礼な奴だえ、今すぐ殺してやるえ」
パァンッと音を上げて発砲した瞬間、儂の周りにいた護衛達が次次にやられていく
な、なんなんだえ…!
とてつもない速さだえ…、み、見えない…!
「だ、誰か助けるだえぇッ…!!!」
『shh…、大声出されると困るなぁ。君を上手に殺せない』
「儂を殺す…?そんなこと許されないえ!!」
儂は世界貴族だぞ!と唯我独尊な態度を貫く天竜人。首元に短剣を滑らせる
ツーっと血が流れ、最後にトドメを刺そうした時
「おい!何を騒いでいやがる…!」
『…ッ!』
まずい
「スモーカーさん、ここは私が…!」
「お前は引っ込んでろ、たしぎ」
天竜人の首に短剣を当てたまま、スモーカー達の方を向く
「早く、儂を助けるんだえ…ッ」と煩い口を開かせないように、もっと深く短剣を押し付ける
「…ッ、てめぇ自分が何してんのか分かってんのか」
『さぁ、僕もだいぶ血迷ってるとは思うよ
でも仕方が無いでしょ、皆が止まらないんだから…
僕が止めるしかない』
「どうするつもりだ…ッ」
『さぁね、僕も分からない…笑;』
ジリジリと距離を詰めてくるスモーカーから、1歩また1歩と様子を伺いながら後ろに下がる
見た所、見張りとして本当に通りかかっただけなのか、スモーカーとたしぎさんの他に海兵は見当たらない
すぐそこが本部ということもあって安心しているのか、通報する様子はない。…が、油断はできない
…早めに眠ってもらわないと
「許さないえ…ッ、お前はもう死刑だえッ!!」
『その前に殺してやるから安心しなよ、君は僕を飼い慣らせ無かったんだ。残念だね、もっと人の扱いについてと、自分の愚かさを知るべきだったね』
また何か言おうとする天竜人が言い終わる前に、首の短剣を躊躇なく滑り下ろした
下で力無く倒れる、天竜人一行
「ホワイト・ブローッ!!」
『…、』
「ホワイト・アウトッ!!!」
『よっ…と』
スモーカーの攻撃を躱しながら、天竜人が乗るはずだった軍艦の手摺に着地する
朝霧も少しずつ晴れていき、僕らの姿が鮮明に見えてくる
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作者名:夛湖 (たこ) | 作成日時:2023年12月24日 14時