115話 ページ1
コビーside
「ヘルメッポさんっ…!!」
「うおっ!…、何だよ驚かせんなよ…」
「…ッ、Aさんに会えるかも…!」
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「お、来たか」
「クザン大将、お待たせしてすみません。Aさんはどちらに?」
「まぁ、そう慌てなさんな。…着いて来い」
もう僕達から会う事は出来ないと諦めかけてたけど、職務中にクザン大将から面会が出来るかもと言われ、すっ飛んで来た
「なあ、コビーあれからどれくらい経った?」
「1ヶ月と2週間…、」
約1ヶ月半もの間、僕達はAさんに会う事が許されなかった。やっと…やっと会える
クザン大将に着いて行くと、拘禁されて居たはずの牢屋ではなく、他の部屋より少し厳重にされた部屋の前に着いた
?
「クザン大将、ここにAさんが居るんですか?」
嗚呼…とクザンさんが返事をした瞬間、中からガッシャアァンと破壊音が聞こえ心臓が飛び跳ねた
ヘルメッポさんに関しては、僕の後に隠れてる
「今日は、ちょいとばかし客が多くて荒れてんだが、これでもマシになった方なのよ」
ゴクリと喉が鳴る
この先に会いたくて、助けたくて、堪らなかったAさんが居るんだ
慎重にドアノブをまわし、部屋の中へと足を踏み入れた
「ッ…、Aさん」
そこには、荒れ果てたベッドに鎖で四肢と首を繋がれ、両膝立ちで俯くAさんの姿
床には、水が入っていたであろうコップとポットが割れている。さっきの音はこれらの音だと理解した
そっと後の2人も部屋の様子を確認する
「…牢にいた時は酷くてな、周りの囚人たちが揃って抗議し出してここに移したんだ
おっと、これより先には行くな。…怪我するぞ」
クザン大将はそう言うけど、僕はAさんが危険人物とは思えなかった。ただ、怖がっているだけに見えるんだ
牢になんか閉じ込められたから、こうなってしまったんだ
Aさんは優しくて、頼れる僕の大切な人だ
そのままになんかしたくない
「おい、それ以上近づくなッ!」
「ッコビー!」
「…Aさん……僕です、コビーです……分かりますか?」
怖がらせないように1歩1歩歩み寄る、割れた破片が足元でパキッと音を立てる
Aさんの側まで来た。やっぱり凄く痩せている、髪も短髪だったのが肩につくくらいにまで伸びている
『…コ、…』
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作者名:夛湖 (たこ) | 作成日時:2023年12月24日 14時