真反対カップルの日常

やさしい ページ6

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「ほんっとに九ちゃん別人〜！」

『九重くんは生真面目ですから、勘違いされやすいんですよ』

「Aさんと九重ってどこで出会ったんですか」

『九重くんとは』

「はい、Aさん。いつものです、あとそんな所まで話さなくていいですからね」

『わーい！ありがとう！』



余計なこと言わないでいい、と目からも物語ってくる世人くん



「……ニヤニヤしないでください」

「え〜？そりゃしちゃうだろ〜、なぁ？志摩」

「しちゃうな」

「はぁ……だから会わせたくなかったんですよ」

『でも私は楽しいよ？私の知らない九重くんを知れたからね！』

「…………Aさんが楽しいなら、まあいいですけど」

「あめ〜〜〜〜〜！九ちゃん、俺にも優しくして！同じくらい！」

「天地がひっくり返っても嫌です」

『あはは』



3年付き合っても知らない世人くんが居ることは少し寂しく感じたけど、知らないってことはこれから知っていく度に好きが増えるってことだし


なにより、知らない世人くんが入れてくれたはずのミルクティーはいつもと同じ味で、知らない世人くんも私の好きな世人くんだなぁ、なんて




「はい、そろそろ30分経ちますよ、早く仕事行ってください」

「えー！まじかー！！！Aちゃんまた遊びに来てね〜！次はいっぱい話そー！」

「じゃあ、お付き合いありがとうございました。ぜひまた」

『頑張ってください！またお話しましょ〜！』



仕事に向かうお2人を見送ると、世人くんが横にスっと並ぶ



『そろそろ、帰るね。迷惑かけてごめんね！』

「確かにめんどくさかったですけど、Aさんは迷惑じゃないですよ」

『！そっか〜、じゃあお仕事頑張ってね！！』

「はい、Aさんも気をつけて帰ってください。次はひったくり犯見つけても自分でなんとかしようとせず、直ぐに通報してください、分かりましたか」

『お母さんみたい』

「お母さんじゃありません」

『んふふ、分かりました〜！』

「はい、じゃあ気をつけて」

『うん！ばいばい！！』



手を振って分駐所を出る

ふと廊下で振り返ると、わざわざ分駐所から出てきて見送ってくれてる世人くん

また手を振ると、小さく手を振り返してくれる




うん、幸せだ






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