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再開＊ ページ5
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思い返したらその日は特に予定があったわけじゃなかった
ただ何となく、お昼過ぎにふらりと街に出たくなって
何かを買いたいとか、どこに行こうとかそんなんじゃなく、ただなんとなく…
「じゃ、今夜は遅くなるから
先に寝てなね」
そういって雅紀はチュッとわたしの額にキスを落として出社していった
彼も変わらずいつもと同じ
昼からのんびり一人ランチでもっていつもなら出掛けるのに思い立ったのはお昼を回って少し経ったころ
夜も雅紀は食べて帰るからわたしは適当にあり合わせで出来るし外に出なくても困ることはない
街に出て、いつも通らない道を探索気分で曲がってみた
引っ越した転勤前にはなかったオシャレな雑貨屋やカフェが隠れ家のようにひっそりとそこにあった
初めて入る店はそれなりに緊張してドキドキする
だけど引き込まれるかのようにそこへ足を踏み入れた
照明の少し落とされた空間は明るい外の太陽の日差しをうまく遮り雰囲気がとても素敵…
あ…可愛いティーカップ…
「気になったものがあったらお手にとられてください」
急に声をかけられ心臓が飛び跳ねた
声のした方を向くと初めからいたのであろうその人物…懐かしい人がいた
「久しぶりだね、A」
くしゃりと目尻を下げながらシワを寄せ笑い方も変わってない…
飛び跳ねた心臓は違う胸の高鳴りを脳に伝達してた
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作者名：しろねこ
| 作成日時：2015年10月29日 4時
