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新しい地 ページ3
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雅紀の転勤先は福岡で横浜から飛行機をつかっても数時間離れている
知らない土地、知らない人
趣味程度に働いたら？とフルタイムで無理しなくていいよと雅紀は言ってくれたし
金銭面でも雅紀の稼ぎだけで飛び抜けた贅沢をしなければ十分やっていける稼ぎはある
パートタイムでのカフェや雑貨屋、求人を見てあの頃のことを思い出したが翔くんを思い出したのが新しい環境で最初で最後。
敢えて違うものをと個人経営の雑貨屋で面接を受けその場で採用が決まったのはありがたい
かわいい雑貨に囲まれてお客さんも幅広い年齢層の方が来られる
おしゃれなお店が街から少し離れた路地を抜けて何件かずつ立ち並ぶような
横浜や都心とはまた違って福岡の風情もわたしにあってるのかも
昼休みに一人カフェランチを楽しんでみたり、雅紀の仕事が早く終わればそのまま街でバーへと足を伸ばしたり
不自由不満ない生活
ただ夜の営みだけがあまり積極的になれなくて、
雅紀のお誘いをやんわり断ることも少なくなかった
無理強いをすることもなく「ごめんね」とわたしの額にキスを落とす雅紀に心の中でわたしも謝る
とてもわたしを愛してくれているのが痛いほどに伝わるから
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作者名：しろねこ
| 作成日時：2015年10月29日 4時
