偽り244 ページ17
〔貴方side〕
嗚呼･･････とても分かりやすい。
退屈な日常に飽き飽きとしている表情は、ちょっとした言葉でそれはもうみるみる変わる。胸の内に秘めていた欲望を当てられ、一瞬だけだったがギラついた目が泳いだ。
貴方「退屈していたのでしょう？壁内の者のほとんどが保守的な考え方しかしなくなり、いつもと変わらぬ日常をただ過ごすだけ。はたまた、決して表には現れることがない裏の部分で何かが動き始めてはいるが、それをただ黙認しているだけって場合も･･･。」
ｻﾞｯｸﾚｰ「！･･･お前･･･何か知っているな？」
貴方「いいえ、私は憶測で話しているだけに過ぎません。"退屈"がもたらす影響は思っているより大きい。特にそれは、刺激を求めている者ほど何かしらのトリガーになったりする。ザックレー総統･･･貴方はどうですか？」
ｻﾞｯｸﾚｰ「･･･」
貴方「後日の裁判で調査兵団にエレンの所有権を･･･なんてことは言いません。あくまでそれはザックレー総統が決めることであります。その時に"調査兵団による劇"でも1つどうでしょう？」
ｻﾞｯｸﾚｰ「劇･･･？」
貴方「きっと･･･ザックレー総統の気持ちを掴んでくれるはずです。それにどんな答えを出してくれたとしても、貴方は"傍観者"なのです。良い方向に転ぼうが悪い方向に転ぼうが、貴方にとってデメリットはないでしょう？それなら･･･」
私はクルッと踵を返し、ザックレー総統と少し距離を取ると再び振り返り、片手を差し出した。優雅に･･･それでもって不安を感じさせないような手の差し伸べ方を。
さあ･･･狐の手をとっておくれ。
.
.
貴方「それなら･･･今この瞬間まで保たれている壁内の均衡を崩してみませんか？新たな試みを･･･新たな発見をしてみたくありませんか？」
ｻﾞｯｸﾚｰ「･･･」
貴方「･･･どうです？ザックレー総統。」
ｻﾞｯｸﾚｰ「･･････ハア。」
貴方「･･･」
ｻﾞｯｸﾚｰ「･･･お前のことは報告書で知ってはいたが、まさかこれ程にまで頭がいかれてる奴だとはな。エルヴィンが推薦しただけはある。だがしかし、私は公正な裁判官だ。」
そう言ったザックレー総統は、空いていた左手で私との握手を交わしたのだった。狐の手を取ってしまえば、後戻りすることはほぼ不可能。
それはつまり･･･"狐の誘惑に負けた"ということだからな。
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キョンシー(プロフ) - さいこーです！更新楽しみに待ってます！！ (1月10日 21時) (
レス) @page25 id: 84d2022181 (このIDを非表示/違反報告)
不明瞭(プロフ) - いつの間にか更新されている……!!!!!!!!!!!!素敵なこの物語の続きをずっと楽しみにしてました!!!!!!楽しく読ませていただいてますありがとうございます!!!!!!!!!!!! (12月3日 3時) (レス) id: ce5be02646 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - パスタ好きのさらさんさん» さらさんありがとうございます･･･！何年も放置してて再燃して占ツクに戻ってきてちょこちょこ更新するようになりましたが、お褒めの言葉凄く嬉しくて戻ってきた甲斐があったなと思います･･･！これからも楽しんで頂けたら嬉しいです！(*ˊᵕˋ*) (9月12日 0時) (レス) id: 8108c641b1 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 久しぶりに占ツクを開き拝見した作品だったのですが、とにかく細部まで拘っていてクオリティが高いな…と感動しました！どちらの作品も大好きなので展開が楽しみです！ (9月10日 21時) (レス) @page3 id: 30568b4fd3 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - ヨモギ餅さん» ありがとうございます！更新が不定期になってしまってすみません。楽しんでいただけるようにこれからも頑張ります！ (8月30日 20時) (レス) id: 8108c641b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だお
| 作成日時：2023年8月16日 10時
