【wrwrd！】気がついたら総統さんの部屋でした。Ⅱ (ページ18)

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チーノが食器を下げに行っている間は特に何もなく、窓の外を眺めているとすぐチーノが戻ってくる。

ci「もう総統様達も食い終わったらしいから、会いに行けるんやけど…行けるか？」
『あぁ、大丈夫だよ。』
ci「じゃあ行こか！ついてきてな！」

流石に外に行く時は鎖は着けないのね、と思いつつ部屋を出て行くチーノについて行く。
部屋の外は陽の光が入って来ていても少し寒く、上に羽織ったほうがよかったかなーなんて思う。
それにしても、“我々国”よりも城内は……
ってあれ？どうして私我々国とここを比べてるの…？

【gr「歓迎するゾA‼」】

…何、今の。
思い出そうとしても思い出してはいけないかのように頭痛がひどくなっていく。

ci「……姫サン？ついたけど…大丈夫か？」
『っ…！うん、大丈夫、ちょっとぼーっとしてただけだから！』

考えてるうちに着いていたらしくパッと前を見ると綺麗な装飾が施された扉に「総統室」と書かれている。
ここ、か。
ここに入ったら……ってもう思い出そうとするのはやめよう。
そう思いノックをすると「入れ」と少し低めの声が聞こえたので「失礼します」と一言言ってから扉を開ける。

部屋に入ると___いかにも威張ってそうなおじさn……じゃなくて、少し膨よかな体格をした人と、爽やかなオーラを放った青年が立っていた。
でも…その2人を見て“安心感”も“既視感”も感じなかった。

kv「チーノから話は聞いている。どうやら混乱して忘れてしまっているらしいな。私はカイヴ。見ての通り総統だ。」
ba「忘れてしまって可哀想に……あぁ、僕はべギーアデ、長いからベアって呼んでね。君の未来の夫だ。」

そう言ってベアは私に抱きついてくる。
抱きつかれても安心感はなく、少し怖いと感じてしまうが表に出さないようにベアの頭を撫でて微笑んでからカイヴさんを見る。

『昨日は取り乱したりしてしまい申し訳ありません。でもこうしてカイヴ様やベアとお会いできて嬉しく思っております。』

そう言って会釈をするとカイヴ様が「ふむ、」と声を漏らしてから口を開く。

kv「その様子だと大丈夫そうだが……念の為軍医に診てもらうか？」
『いえ、不要でございます。』
ci「ケイヴ様。」
kv「ん、あぁ。じゃあベアよ、Aを頼んだぞ。」
ba「はい、父上。じゃあA、行こうか。」
『？はい、では。』

会釈をしてから私はベアに手を引かれながら総統室を出た。
ベア……なんか優しそうな人だな。
この人が夫……なの、かな。