【wrwrd！】気がついたら総統さんの部屋でした。Ⅱ (ページ17)

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「ここ開けて」と口パクで言っていたので慌てて窓を開けるとその人が嬉しそうに微笑んで口を開く。

ni「はじめまして、俺は兄さん。我々国の幹部……って言ったらわかるかな。迎えに来たんだ。」

“我々国”。その言葉を聞いただけで安心感が私を襲う。
…どうして？我々国は私を誘拐して、酷いことをした国のはず。
なのに…どうしてこんなに安心するの？わからない。
でも、なにかがおかしい。
私の知っている何が“嘘”で何が“本当”？
それに迎えに来たってどういうこと？

『っ…』
ni「…なんだか混乱してるっぽいね。まぁそろそろ幹部が戻ってくるからこれだけ伝えておこう。」

“我々国でグルッペン達が必死になって君を探してる。”
そう言って兄さんと呼ばれる人が消えると同時にチーノが「お待たせ～」と部屋に入ってくる。

ci「…なにしとるん？」
『あぁ、ちょっと外の空気を吸いたくて。勝手に窓開けちゃってごめんね？』

窓に近づいている私を見て怪訝そうなチーノの顔を見て咄嗟に嘘を吐き微笑むと「なんだ、そんなことか！」といつもの表情に戻る。
じゃあ食べようか、と席について促すとチーノも笑顔で朝食を机に置き、席につく。
そして2人で「いただきます」をしたあと黙々と食べ始める。

…そういえばさっき兄さん？が言ってたこと…
“グルッペン“って…グルッペン・フューラーのことだよね？
チーノから聞いた話だと確か私その人達にトラウマ植え付けられた？んだよね…
でもなんでその人達が必死になって私を探してるの？
それに気になることもある。
牢屋に入れられてた子供達は何なのか。
そしてなぜ”逃げて“と言ったのか。
…だめだ考えると頭痛くなる…

ci「……サン、姫サン～？」
『うぇっ、あ、ふぁい⁉』

突然のことで変な声を出して返事をするとチーノが笑いを堪えながら口を開く。

ci「今日の予定なんやけどな、まず総統と姫サンの夫になる人……総統の息子に会ってもらうで。」

…ん？

『私…婚約してるの？』
ci「……。…覚えてないん？総統の息子サンとラブラブやったで？」

いや初耳。懐かしさも何も感じない。
それなら我々国のことを聞いた方がよっぽど懐かしく感じる…
なんて思っているといつのまにか私もチーノも食べ終わっていたため「ご馳走様でした」と一言言ってから食器を片付けようと席を立つ。
するとチーノが慌てて「あぁ、俺が片付けるで」と言ってから食器を下げに行ってくれる。

___本当に、何を信じればいいの？