【wrwrd！】気がついたら総統さんの部屋でした。Ⅱ (ページ14)

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『どう…して…？』

震えた声でそう問うと、子供達は少し悲しそうな顔をして口を開く。

ch1「…連れてこられた時に、お母さんもお父さんも刺されて動かなくなっちゃって、家も全部焼かれちゃった。」

驚きと、怒りで声が出なかった。
こんな小さな子供達を連れてきて、居場所も奪ってまで…この国は私欲を優先するのか。
そんな怒りで拳を握りしめて、血も出ているが気にせず牢屋の近くにある机などを漁る。
ない、ない、ない。

やっぱりこんな簡単なところには………ん？
引き出しのなかに手を入れてゴソゴソと漁っていたら何かが手に当たる。
なんだろう、と思いながら引っ張り出すと、小さな1枚の紙と針金が2本入っていた。
針金で大体察しがついたけどとりあえず紙を見ているとこんなことが書いていた。
【一緒にある針金で牢屋を開けて中にいる子供達を助けてやってくれ。】
助けたいんだけど…あいにくピッキング能力は持ち合わせてない。
まぁ……なんとかなる！いや、なんとかしてみせる！
そう意気込んで子供達がいる牢屋の扉の前に座り込み、鍵穴に針金を差し込んでピッキングし始めた。

___そして30分経過。
案外難しくてずっとかちゃかちゃしているが開く気配がない。
ふぅ、と息を吐いてから子供達を見ると不安そうな目でこちらを見ている。
それを見て私は微笑んで口を開く。

『大丈夫だよ、すぐ出してあげるからね。』
ch2「おね…………ちゃ、ん…」

震えた声で少女が私を呼ぶ。
感激してるの…かな？でも震えが尋常じゃない、どうしたんだろう。
と、声をかけようとした時だった。

ci「みーつけた。」

耳元で囁かれる低い声。
思わず「ひっ」と声を漏らして振り返ると丸眼鏡を外して橙色の綺麗だけど、少し虚ろな目をしたチーノが私を見ていて、振り返ったと同時に私の腕を掴んで鉄格子に押し付ける。
押し付けられた痛みに思わず顔を歪めるとチーノが口を開く。

ci「これはもうお仕置きが必要やわ～。痛いのと気持ちええの、どっちがええ？」
『どっちも嫌っ……‼』

キッと睨んで腕を拘束している手を振り払おうと暴れると、チーノが少し悲しそうな顔をして私の顔を覗き込む。

ci「なぁ、なんで逃げるん？」
『帰るからよ…！だから、離して‼』
ci「…あんたの居場所は“この国”なんやよ？」
『ちが、う…！私の居場所は……居場所は……！』

___あれ？どこだっけ。

そう呟くとチーノの口角が上がっているのが見えた。