【wrwrd！】気がついたら総統さんの部屋でした。Ⅱ (ページ13)

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#53 ページ13

No side

tn「どないするん、グルさん。」
gr「どないするって…国がわからない限り下手に動くことはできない。トン氏もわかっているだろう。」
tn「はえー、じゃあ諦めるん？ gr「そんなわけないやろ‼」何もしないことは諦めてることと同じや‼何があっても仲間を守る、あんたが言ったんやろが！しっかりしろ総統‼」

静かな空間にトントンの怒声が響き渡る。
焦って普段出さない関西弁まで出していたグルッペンもそれには驚いて目を見開いてから、いつものように口角をあげ、立ち上がる。

gr「…おかげで目が覚めたゾ。まず、ロボロと鬱はライが来た頃から居なくなる頃までのカメラの映像を見て国を洗い出せ。エーミール、トントンはライ…いや“チーノ”について調べろ。それ以外は逃走経路の手がかり探しで聞き込みするのもよし、どのみち戦争するから戦争に備えるのもよしだ。我々の仲間に手を出したことを後悔させてやるゾ‼」
全員「「「ハイル・グルッペン‼」」」

そう言って立ち上がり、ゾロゾロと会議室を出て行く。
指示を出した本人は耳に手を当て何かを話している。

gr「……あぁ、急にすまんな、今大丈夫か？」
《________。》
gr「この間伝えたAの件なんだが……チーノっていう奴に攫われたんだ。」
《___？》
gr「あぁ、聞き覚えあるか？」
《________。》
gr「そうか。もしそこの国にAが居たら助けて一緒に帰ってきてほしい。」
《_______。》
gr「あぁ、では。___頼んだゾ、兄さん。」

──────────
you side

後ろで何かを叫んでいるチーノを無視して走り続けていると途中でチーノの声が消え、急いで近くにある部屋に入る。
咳き込みながら呼吸を整えていると次第に視界がクリアになってくる。
…はやく、“国”に帰らないと。
そう思いつつも周りを見渡すとそこは地下牢で、中には____
たくさんの子供達がいた。

(子供=ch)

ch1「お姉ちゃん……だあれ？」
『へ…わ、私はA。貴方達は？』
ch2「…わからない、名前なんて忘れちゃった。」
『っ……』

虚ろな目で言うその子供は服の隙間から痛々しい傷が見えて、思わず顔を歪める。

ch1「Aお姉ちゃん、早く逃げたほうがいい。」
『…貴方達は？』
ch2「わたしたち、どうせ助からないどうせ助からない、から。それに……」

_____帰る場所なんて、とっくに無くなっちゃったから。