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カチ、カチ、カチ。
静寂の中時計の針の音とホチキスの止める音だけが教室一体に響く。
もう殆どの生徒も下校して外もとっても静かだ。
『あと一つ…』
パチンッ。
無事全部ホチキスで止め終わった。
『ありがとショッピ、手伝ってくれて。お陰で早く終わったー…』
解放感と疲労が同時に襲い、つい欠伸をしてしまう。今日は早く寝よう。
「この資料達は先生んとこ持ってくん？」
『んーん。持ってかなくて大丈夫。先生の机の上に置いとけばいいよ』
「わかった。んじゃさっさと運んで帰りますか」
『そうだね』
先生の机の上に大量の資料達を運んでいく。
よく頑張った私。偉い。
「じゃあ帰る支度しといて。俺ちょっとトイレ」
『りょーかい。支度して待ってるね〜』
そして1人になった教室。
支度を終え席に座って待っていると、なんだか眠たくなって寝てしまいそうになる。
『…ごめんショッピ。少しだけ寝かせてくれ…』
どうせすぐ帰ってくるだろうけど少し、ほんの少しだけ寝かせて欲しい。
『おやすみ…』
___カチ、カチ、カチ。と、時計の針の音が教室一体を包み込む。
「！」
俺が戻って来るとAは机の上で寝ていた。
「(無防備すぎるやろ)」
俺も一応男なんやけどな。
まぁアイツも簡単にこんな無防備晒すわけやないし、心許した相手だけやろ。
俺はそっと眠っているAへ近付き暫く寝顔を眺める。
寝顔を見つめているとAが言っていた言葉を思い出した。
【ねぇショッピ。……消えない…でね】
消えないで…か。
そんなんこっちのセリフや阿呆。
先程窓の外を眺めるAを見た時同じことを思った。
儚くて、どこか辛そうで、見ているこっちがとても苦しくなった。
Aが消えそうで、辛かった。
でもさ、A。
それは大切な友人…やから？
「ごめんな、A」
眠っているAへ近付き前髪を退ける。
そっと額にキスを落とし頬を撫でる。
「これは俺の咎」
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