【wrwrd!】Je vous embrasse (ページ45)

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容赦無く瞼を刺す陽の光で目が覚めた

体を起こそうと身動ぎをすると、離さないとでも言うようにオスマンの腕が私の体へと巻き付いてきて、何も無い休日の朝に幸せを感じてしまう

このままもう一眠りしてしまおうか
ゆっくりと瞼を閉じ、微睡みに身を任せようと再び柔らかいベッドに身を沈めた時、ベッドサイドに置いてあったスマートフォンから着信を報せる音楽が鳴り響いた

手を伸ばしスマホの画面を確認するとどうやら会社からの着信のようで、オスマンを起こさないよう腕をそっと解き、通話を取る

スピーカーから聞こえてくる「もしもし？」という声は紛れも無く昨日の先輩で、朝から少しだけ不快な気持ちになった

それでも仕事の話をされてしまえは、耳を傾けるしかなくて大人しく先輩と会話を続けていく

ひとしきり仕事の話が終わり通話を切ろうとすると、先輩はいつも通り話題を「ご飯行かない？」にすり替えてきて『またか…』とため息を吐きたくなってしまう

イライラする気持ちを抑えつつもお決まりの言葉を返していけば、いつの間に目覚めたのか背後に居たオスマンがぎゅうっと抱きついてきた

腹部を這い、胸元へと上がって来る彼の手をピシャリと叩き落とすと、オスマンは不貞腐れた様子で私の肩口へと顔を埋めカリカリと皮膚を甘噛みし始めて、その擽ったさに思わず笑い声が零れた

そんな私の声を目敏く拾ったのか「あ、Aさん。そういえば今度の忘年会は来るんだってね。大丈夫？彼氏さんに怒られたりしない？」なんてオスマンを煽っているかのような言葉に、いよいよ嫌悪感が隠しきれなくなってくる

チラリとオスマンの様子を伺うと彼はまるで聞こえなかったとでも言うように、ちゅっ、ちゅと小さなリップ音を立てながら私の背中へと口付けを落とす

時折感じるチクリとした痛みに、きっと彼のモノだという印を刻まれているんだろうなと思えば、自然と口角が上がっていく

早くオスマンと二人きりの時間を過ごしたくて、適当な言い訳をしてスマホの電源ごと通話を切ると、オスマンは嬉しそうに私を抱く腕に力を込めた