【wrwrd!】Je vous embrasse (ページ44)

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早くオスマンに会いたい、今はただそれだけしか考えることが出来なくて、私の体は足早に駅へと向かおうとする

しかし、そんな時に限って邪魔とは入るもので、再び背後から伸びてきた何者かの手によって私の腕が絡め取られてしまった

『もう、先輩本当にしつこいです！私今日は急いでるんで』

先程の先輩が再び追いかけて来たのかと思い、顔も見ずに乱暴に腕を振り解くと頭上から酷く聞き慣れた声で私の名前が呟かれ、脳内が軽くパニック状態に陥る

『は、え？マンちゃん……？なんでこんな所に居るの！？』

驚きのあまり詰め寄るように問いただせば、数ヶ月ぶりに顔を合わせた彼、オスマンは「Aちゃんに早く会いたくて来ちゃった」と可愛らしい笑みを浮かべた

大好きな恋人のその一言で先程までの怒りや疲労が嘘のように無くなっていく

感極まって彼の腕へと飛び込むと、彼は危なげなく私を抱き留めてくれて
身体はこんなに細くて顔は女性のように綺麗な造りをしているにも関わらず、男性だと実感させられるような力強さが酷く心地好く感じてしまう

「お仕事お疲れ様、お腹減ったやろ？ご飯食べに行こ」

そう言って手を差し伸べてくれる彼は何処までもスマートで、私には勿体ないくらいの素敵な人だった

食事共に少量のお酒を嗜みながら、仕事のことや先輩のことを軽く愚痴る

感情的になって吐き出された言葉はどれも気持ちの良いものでは無いはずなのに、オスマンは終始笑顔を絶やさず「Aちゃんはよう頑張っとるんやね、そういうとこ俺は好きやで」と私の全てを肯定してくれて、私にはやっぱりこの人しか居ないのだと強く確信した

適度に酔いが周り、上機嫌なまま二人でオスマンの部屋へと帰宅する

一日の疲れを化粧ごとシャワーで洗い流してしまえば、後はもう目の前に居る彼のことしか考えられなくなってしまった

ベットに押し倒され、会えなかった数ヶ月分の溝を埋める為にお互いの唇を貪り、堪能し続ける

オスマンの指が私の素肌を撫でる度にまるで初恋を彷彿とさせるように身体が熱を上げ、視界が涙でボヤけていった

久しぶりに受け入れた彼の熱にゾクゾクとした快感が背筋を駆け抜け、何度目か分からない絶頂を迎える

夢中になって抱き合っていれば、あんなに暗かった空もすっかり白み始めていた