【wrwrd!】Je vous embrasse (ページ37)

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私はベッドに座っている。その正面で今、彼氏である鬱先生こと私は鬱くんと呼んでいる彼が正座をしている。何故か、私を怒らせたからである、ではなぜ、怒っているかそれは簡単な話である。とある大学のサークルの飲み会で友人であるコネシマという男から一枚の画像とメッセージを載せられて送られてきた。

内容は鬱先生が他の女性とキスをしている画像と「鬱先生尖ってるで」と書かれた内容だ。これを見て確かに女癖の悪いが最近は良くなっていたし浮気している素振りもなかった。
昔よりも直ってきてるなと思った矢先の話である。

「ねぇ、この写真はどういうことなの？」
「いや、違うんやで、ほら、酔っ払ったあれなんや」
「あれってなに」

と言うと鬱君は言葉を濁らせてばっかりで何も言わない。きっと私に飽きたのだろうか。それならそうと言ってくれたら心だって身体だって晴れてしまえるって頭では考えてられるのに中は何かのモヤモヤが出てきて仕方ない。

「あれって....いや、今回は言い訳も何も出来へんわ」
「じゃ、なんでキスしたの...私の事嫌いになったの....あきたの....さめた..の...ねぇ、なんで....」

こんなこと思ってない。こんなこと言いたくない。だけども口が勝手に動いてしまう。勝手に鬱くんのことを傷つけてしまう。どうして顔は熱いのに頬は冷たいんだろう。どうして、彼の顔がぼやけて見えるんだろうか。

「Aちゃん....」

私の右手を掴んで鬱くんは私の目を見つめてくる。とても辛そうに私の方を見る。どうしてそんな目で見るの。苦しめたのは貴方なのに私の心をこんなにも可笑しくしたのは貴方なのにどうしてそんな目でこっちを見るの。

「俺ね、女癖は悪いし、浮気だって今までしてたんよ。だけどな、Aちゃんと出会って、A以外を傷つけたくない。Aを俺の事で苦しめたくないって....だから、もう一度、俺にチャンスをくれへんか」

と言った鬱くんのその紺色の瞳は濁りもせず、私を映し出す。自分の過ちを知り、もう一度、やり直すチャンスを本当に欲しがっているのだろう。

「わかった。もう一度、信じてみるよ」

そういうと鬱くんは立ち上がり私に温もりをくれる。その温もりと同時に頭に布が当たり柔らかい衝撃が身体に響く。