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だがこの屋敷に長年いる私はこのままではシャオロンが危ないと気づきはっきりときっぱりと思いを伝えようと、これで最後にしようと、涙が溢れだしそうで、零れそうで、でも我慢しなきゃと思い1つ深呼吸をしてからシャオロンの瞳をしっかりと見つめ伝える。
｢シャオロン、ごめん。ありがとう。私、勘違いしてた、本当にごめん。｣
あまりにも深刻そうに話す私にシャオロンは顔を歪める。内容を聞いたシャオロンは焦って私に弁明をしようとする。そんなシャオロンに私は大丈夫だよ、わかってると零す。
人の足音が聞こえてくる。そろそろ潮時だなと思い私はシャオロンの目をはっきりと見つめ口を開く。
｢ありがとう、シャオロン。幸せになってね。｣
｢大好きだよ、シャオロン。本当に、最後まであなたを信じることができなくてごめんなさい。｣
そう言って他に来ていた怪盗に目配せしシャオロンを窓から追い出すかのように胸板を押す。
けれどもシャオロンは矢張り男の人で私が押してもビクともしない。震える手で、押しても押しても窓の外に出てくれないシャオロンにどうしても辛くて辛くて、悔しくて、嗚咽が止まらなくて、涙が溢れ出て床にぽとぽとと落ちていき汚していく。
｢なんで、え、…なんでよ…ねえ、わたし、、おうこくの…、おうこくの！…にんげんだから、ダメだってシャオロン、…おねがいだから、おねがいだからさあ……、｣
そういってぼろぼろに泣きじゃくりながら言葉を必死に紡ぐ。
下を向いているからか髪の毛が目や口や鼻に張り付いて張り付いて前が何も見えないほどグチャグチャになる。
刹那頬を掴まれる感覚がし、急に視界が上に上がる。すぐシャオロンが私の顔を両手で持ち上げたことがわかった。
シャオロンは私の顔を見つめた途端ふっといつものように、いつも私にみせてくれるような太陽みたいな微笑みを見せる。
｢だっせーっかおやなほんま！｣
｢あんな、王国とか、時間が無いとか、全部全部関係ないねん。｣
｢だって俺は最初っからお前のことしか考えてないし、お前とこれから先ずっと一緒にいることしか考えてないんやから！！！！｣
｢大好きやで、A。じゃあ、行こか！｣
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