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そんな中今夜、宝物を奪いに行きますと私に一つのメッセージが届いていた。そう、シャオロンからである。自分が指定した場所に来て欲しいと、そうそのメッセージには小さく書かれていた。それはちょうど王国の宝物が沢山あり、管理が厳重なところであった。
これで悲しいが確定してしまった。シャオロンは私のことを利用するためにここまで、仲良くしてくれたのだと。今夜、宝物を奪ったらもう二度と会えないのだと。波がおしよせてくるかのように出てくる色々な感情がまじりにまじって嗚咽が止まらない、涙がぽろぽろと滝のように溢れ出る。私は大切に育ててもらった王国をそのまま裏切ればいいのか、大好きで大好きでたまらないシャオロンを裏切ればいいのか、どうしても大好きな君に失望されたくはなくて、でも育ててきてもらった王国も裏切れない。
ぐるぐるとまわりにまわるかのようにぐちゃぐちゃになる思いを抱えたまま、ちゃんとお別れはしなければならないと思い今までシャオロンに貰ったアクセサリーや、宝石や、思い出の品をたくさん両手に手に取り指定場所に向かう。
沢山の思い出の品を抱えながらシャオロンが窓から来るのを待つ。
綺麗でとても残酷そうに笑うかのようにキラキラと輝く満月とともに現れたシャオロン。彼は恥ずかしそうに笑いながら口を開く。その内容は驚きのもので、私を誘拐しに来たんだと目線をそらしそう呟く。予想外の答えに動揺が隠せず手に抱えていた宝石やアクセサリーなどの思い出の品を手放す。
カランと鳴り響いたアクセサリーがてらてらと、満月に照らされて輝きを放つ。
私がアクセサリーや、宝石を落としたことにシャオロンが驚く。何故驚くのだろうかと私は疑問に思った刹那、私が落としたアクセサリーなどがセンサーに反応したらしく、それに気づいた主人がこっちに向かうとインカムで屋敷全体に知らされる。急な事に心臓の心拍数が上がり少しの間何も考えられなくなっていた時にシャオロンが咄嗟に行こうっ、と私に声を漏らす。
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