私から欠如しているモノ ページ37
夕方になり、私達はホテルへと戻ってきた。
結局最後は全員で全力の鬼ごっこをしたもんだからみんな汗だくだ。
とりあえずお風呂に入ってもう一度集合しようという事になり、各自の部屋に戻る。
部屋の近くで茉莉香さんに会い、明日の事について少し話をしていた時の事。
茉「今さっき連絡が来たんだけど、決勝戦も急遽料理のテーマが決まったそうなの。テーマは【家族】よ。それをどう捉えて作るかはそれぞれに任せるって。」
「家族……」
私が決勝で作ろうと思っていたのは日本の象徴である【和】をテーマにしたスイーツだった。
茉莉香さんは今更変える必要ないし、プレゼンで上手く家族の話題に絡めて話せば大丈夫だと言ってくれたけど、そんなイメージで考えてたレシピじゃなかったから頭ん中が真っ白になってしまった。
どうしよう…
せっかくここまで勝ち進んできたのに…
私の家庭は一見裕福だが、その代償に家族の思い出が少ない。
小さな頃から、お父さんとお母さんはいつも仕事に追われ、家に居る事がほとんどなかった。
お兄ちゃん2人も勉強にスポーツに忙しくて、年の離れた私は何かと1人になる事が多かったんだ。
みんな私の事を本当に心から愛してくれてたのは分かってたし、だから寂しさを口にする事もなく
生きてきた。
でも…私には…どうしても家族の温もりが…思い出せない。
私はすがるような思いで1本の電話をかけた。
「もしもし?A?」
電話越しから聞こえる温かい声。
「お母さん。忙しいのにごめんね。」
母「ううん、平気よ。いよいよ明日は決勝ね!こっちのTVでも少し放送されてるからAの姿が見れて嬉しいわ♪」
「決勝でね、テーマが決まってるの。家族っていう。」
母「家族…かぁ。だから電話してきたのね?」
「うん…」
母「正直、あまり家族の思い出とか無いでしょ。」
「うん…」
母「そうよね。私達、あなたにいっぱい寂しい思いさせてきたものね。」
「………」
母「でもね、Aを忘れた事なんて一度も無いわ。それはお父さんもあなたのお兄ちゃんも一緒よ。いつでもあなたを想ってる。これからもずっとね。だから、理想の家族を思い描きながら精一杯作りなさい。後ろを振り返るんじゃなくて、前を見て歩くの。大丈夫、Aなら出来るから。」
しばらくお母さんと話をして電話を切った。
振り返らずに前を向いて歩く…
私の理想の…家族…
私はみんなとの約束を忘れてそのまま部屋を飛び出した。
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しぃたま(プロフ) - ミケにゃんさん» やだ(*´д`*)チェンロンヘンクーの研二さんはずるい!!私もめっちゃ好きです(〃ω〃)私は研二さん一筋なのに夢に出てくるのはダントツで喜矢武さんが多いんですよねww何だろ。私何かしたかな(・∀・) (2013年9月1日 8時) (レス) id: 5b512b1364 (このIDを非表示/違反報告)
ミケにゃん(プロフ) - しぃたまさん» そして今日も出てきましたw学校に金爆が来てくれて、、テェンロンヘンクー歌って踊ってくれました!相変わらず研二さん、上半身裸でwwすごく楽しかった〜(*^-^*) (2013年9月1日 7時) (レス) id: 2fea6224f5 (このIDを非表示/違反報告)
しぃたま(プロフ) - にあさん» 金爆さん関連はいつでも命懸けですww追加公演の代々木、当たるといいなーって今も念仏のように唱えてますww次章もよろしくですヽ(´▽`)/ (2013年8月31日 20時) (レス) id: 5b512b1364 (このIDを非表示/違反報告)
しぃたま(プロフ) - ミケにゃんさん» あらま(〃ω〃)遂にミケにゃんさんと研二さんが新婚さんにっ♪おめでとうございます〜( ̄ー ̄)ニヤニヤ♪毎日出てきてもらえるように更新頑張りますねww (2013年8月31日 20時) (レス) id: 5b512b1364 (このIDを非表示/違反報告)
にあ(プロフ) - しぃたまさん» 命がけですかwww私も必死にがんばりましたがもっと頑張ります!← 次章もついてきますよーww (2013年8月31日 14時) (レス) id: 658ebbf2cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃたま | 作成日時:2013年8月16日 17時