ずっとこのままで…8

元気の特効薬 ページ30

朝、目覚めると至近距離に研二の顔があった。
きっと一晩中この体勢で抱きしめていてくれたんだろう。

「研二、おはよう。」

ちゅっと唇を重ねるとうっすらと目を開けて私の方を見た。

樽「おはよー…。ねぇ、今ちゅーしてくれた？」
「うん。したよ。」
樽「…もっかいー…」
「…(笑)」

口を尖らせて待つ研二が可愛くて何度も唇を重ねる。

樽「あっはー！そんなにいっぱいちゅーしたら駄目よー！」

研二は嬉しそうにﾓｿﾞﾓｿﾞと動き回り笑った。
しばらくそんな風に2人ではしゃいでいると、急に真面目な顔をして研二が私を見る。

「な、何？///」
樽「昨日は言えなかったけん。今言うね？」
「…うん。」
樽「愛しとーよ、A。」
「〜〜〜〜っ///」

私の頭の後ろに手を回し、ｸﾞｯと距離を縮めてくる。

樽「…A。顔真っ赤。」
「だって……」
樽「俺の事は？好き？」
「…うん。大好き…///」
樽「愛してるって言って？」
「……愛して……んんっ…！」

言い終わる前に私の口は研二に塞がれた。
全てを包み込むような優しく口づけ。
研二は時間を惜しむように強く抱きしめてくれる。
私はそんな研二の深い愛情にひたすら酔いしれていた。




樽「そろそろ時間だね。支度しよっか。」
「うん…」

交代でｼｬﾜｰを浴び、支度を始める事に。
私はｽｰﾂに着替え髪をｱｯﾌﾟにまとめる。
研二は部屋に今日の為の服が用意してあったと言い、一旦部屋へと戻った。

しばらくして戻ってきた研二を見てびっくりする私。
細いｽﾄﾗｲﾌﾟが入ったｶｼﾞｭｱﾙなﾜｲｼｬﾂに、細身の黒のﾊﾟﾝﾂ。
雑誌に出てくるようなﾓﾃﾞﾙさんに見えた。

樽「こういうの慣れんから…恥ずかしい…」
「…研二かっこいい…っ…///」
樽「何なに？惚れ直したと〜？」
「うん…///」
樽「あっは！Aったらまた顔が赤くなった♪」

研二にからかわれながら私も支度を終え、2人で1階のﾚｽﾄﾗﾝへ。

他の3人もやっぱりｵｼｬﾚな感じになっていて思わず見とれてしまった。
朝食を食べながら、私は時間の許す限りみんなとの会話を楽しんだ。

出発の時間になり茉莉香さんと車に向かう。

樽「A。また後でな♪」
喜「いつも通りでいいんだからな！」
歌「緊張したら僕達の事思い出してね！」
鬼「…大丈夫。行っておいで♪」

「みんな、ありがと。精一杯やってきます！」


私はみんなに大きく手を振り、車は会場へ向けて走り出した。




もう怖くない。

みんなが…居てくれるから。

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