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それ以降も、返事が来るわけでもないのに付箋を貼り付けて課題を提出した。
誰目線なのかわからない『お仕事お疲れ様です』とか、結局毎回それくらいしか書けなかったけれど、何を書こうかと考えながら過ごす毎日も楽しかった。
それでもやっぱり、会話のきっかけになる何かが欲しい。
そう思った私は、連休明けでテスト前のその週、普段と違う内容の付箋を書いた。
『お疲れ様です。少し相談したいことがあるので、後日お時間頂けると嬉しいです』
....確実に返事が貰えるであろう内容。相談したい事なんて特に思い付かなかったけれど、今日中に読まれても次に会うのは明日の朝だし、それまでに考えておけばいいや、なんて思っていた。
そうしていつもの様に入った資料室。奥にある、先生が使っているらしいデスクに普段通りその束を置いて帰ろうと思っていた。
形だけの「失礼します」を言ってプリントの束からふと目線をあげると、目線の先には
「あ、課題持ってきてくれたん?ありがとう」
折原先生がいた。
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作者名:らぱん( ・×・ ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=d9fece3f785bc7d3ebaeeecd6103e95f...
作成日時:2019年2月23日 17時