え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。THE SECOND 【となりの坂田。】

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Aside

『うーん…』

｢A、どうしたん？｣

同棲生活にも大分慣れてきた頃、私はリビングのソファに寝そべってアカウント作成画面を睨んでいた。

そんな私の頭を撫でながら悠が聞く。

『今日配信でね、Twitterしないんですかって聞かれたの。
Twitterはさすがに遠慮させてもらおうかな…って思ってたんだけど、お兄ちゃんとまふくんとしまいにはリスナーさんまで駄々こね出して……

まあ確かにお兄ちゃん達のツイキャスとかのRTもしてあげたいしと思ってTwitter入れたんだけど…』

私の言葉とスマホ画面で全てを察した悠がため息をついた。

｢アカウント作成のやり方がわかれへん、と…｣

『教えてくださいぃ…』

よく分からない膨大な数の設定事項の前に私は意気消沈していた。

断じて機械音痴などではない。

｢貸して、俺やるわ｣

『うん、お願いしまーす』

ひょいっと私のスマホを取り上げた悠はすいすいと慣れた手つきで次々と設定していく。

｢ほい、出来たで｣

『ありがと、助かったぁ…』

画面を見ると、そこにはちゃんと

そらちゃん@sora_chan

というアカウントが作成されていた。

早速なにかツイートしようとすると、悠がそれにストップをかける。

｢あ、まってまって一番最初にフォローすんの俺な｣

悠が自分の携帯を嬉しそうに操作すると、私のスマホに“悠@sora_darlingにフォローされました”という通知が来る。

『待ってそのアドレスなんなの』

｢え、なんか問題？
ほんまのことやん｣

悪びれずに言う悠。

多分これ以上言っても変える気はないと思うし、諦める方が何倍も胃に優しい。

『ねえなんてツイートしよう』

｢えー普通でいいんじゃないの？
どうもそらちゃんですーみたいな｣

考えた文章を悠と相談しながら打っていく。

『うーんこれでいいかな？』

｢ええんちゃう？
はは、そらるさんあたりが荒れそうやな｣

『よし、ツイートできた。
お兄ちゃんにLINEしとこ』

｢うん、アカウント送っとき｣

お兄ちゃんにもLINEをしておいて、ツイートすると凄まじいスピードで増えていくフォロワー。

お兄ちゃんは悠に次いで2番目にフォローしている。

お兄ちゃんパワーって凄いね。

まふくんからもフォローしてもらって、早速さっきのツイートにお兄ちゃんからのリプライが来た。

『はは、お兄ちゃん荒れてる』

｢どれどれ…ほんまやむっちゃ怒ってるw
よっしゃ煽ったろ｣

『やめなさい！』

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