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「……お前が思ってるより俺、めちゃくちゃ重いよ」
『…うん。
いいよ、うらたならなんだって。』
「俺もなんでもいいよ、お前なら。
お前が隣がいてくれたら、俺は毎日楽しいから。
……ばか、何照れてんだよ！」
『ちがう、勝手に赤くなるんだって！』
だってうらたが、そんな優しい顔でそう言うから。
しょうがないじゃんね。
しかも、目の前の彼の顔も、私に負けず劣らず赤いんだから。
＿＿＿＿
店員side
『ごちそうさまでした！』
「おにーさん、ココア美味かったっす」
「おー、ありがとねうらたくん。
また来てよ」
可愛らしいカップルが外に出るのを確認してから、店長に話しかける。
「ねえ店長、うらたくんとあの子やっぱ付き合ってるんですって」
「お前あんまお客様のこと詮索しちゃいかんだろ」
「いや店長だって毎回そわそわしてるじゃないですか」
「まあ確かに、去年の冬くらいか？
泣いてるあの女の子の手引いてうらたくんが来た時はさすがにビビったなあ」
うらたくんは、女の子と付き合うずっと前からここの常連さんだった。
しょっちゅう涙ぼくろがチャームポイントのイケメンくんと一緒に来て、カウンターで恋バナをしてたり、たまに俺たちもそれに混ざったり。
先輩きどりでアドバイスをしたり。
まあなんというか、それなりに長い付き合いで、彼の恋の動向を俺たちも気にしていたわけで。
「ありゃあ多分浮気されてたっぽいよなあ」
「うらたくんよく愚痴ってましたもんねえ。」
うらたくんは結構奥手というか、計画的に物事を進めるタイプなようで、いつも惚気けるだけ惚気けてはイケメンくんに「じゃあはよ告れば？」と言い放たれて撃沈、を繰り返していた。
それがとうとう、実ったらしい。
「＿＿＿まあ、お幸せにって感じっすね。」
「そうだな」
うらたくん、お幸せに。
そう考える頭の隅で、あの女の子に彼氏ができた時のうらたくんの姿を思い出す。
“なんで、なんで俺じゃダメなの…
あんな誠実さしか取り柄ないようなヘタレのどこがいいんだよ！”
わあわあ泣く彼は今まで俺が見た事のないうらたくんで、困惑したことを覚えている。
それぐらい、彼はあの子のことが大好きなんだろう。
「店長、うらたくんが失恋して大泣きしてたこと、絶対彼女ちゃんに言っちゃダメですからね」
「言わねえよ！」
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作者名：弥生2nd@夢見月 | 作成日時：2023年4月23日 3時
