え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。【となりの坂田。】

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Aside

『な、なに？』

ぎくり。

思わず手元のバックを落とす。

しまった…わかりやすく動揺してしまった。

そんな私の反応がお兄ちゃんを確信に導いたようで、お兄ちゃんは嬉しそうにうんうんと頷いている。

お兄ちゃんは変なところ鈍いくせにこういう余計な所にだけ鋭い。

｢ふんふん、そういう事ね…
なるほどぉー、あのそらがねぇー…

若いっていいねぇ…｣

『何言ってんの???
おじさん臭いからそのセリフやめた方がいいよ??』

｢お、おじさん……違うし…永遠の18歳だし…｣

『なに馬鹿なこと言ってんのあんたは三十路でしょうが』

そんなやり取りをしていると業を煮やした悠がインターホンを連打してきた。

『もう！
インターホン連打しないでっていつも言ってるのに……』

そんなことをぼやきながらも緩む頬は抑えられない。


》彼氏さんww インターホン連打ww勇気あるねww

》そらちゃんの発言が完全にママ…

》そらちゃん声がにやけてるよww


すっかり全部電気を消した階段を降りる時にさっきのホラゲーを思い出してしまってダッシュで階段をかけおりる。

今日1人で寝れないかも……

すごい勢いで玄関のドアを開けると悠が少々面食らった顔で立っていた。

｢おぉ、そんなにホラゲー怖かったん？
もおーAはしょーがないなー｣

かと思えば急にニヤニヤし出す。

『……悠は嬉しそうだね』

｢えー、やって頼ってくれるの嬉しいんやもん｣

『あ、そう…』

悠がいいのなら、別にそれでいいけど。

なんか馬鹿にされてる気もしなくもない。

｢おーい早く二階上がってこいよぉー!!!
そらるさん泣いちゃうぞーいいのかー？？｣

またいらん事を!!!

悠は口の端を引き攣らせて声が聞こえてきた2階を指さして恐る恐る聞いた。

｢……何アレ、酔っ払い？｣

『…気にしなくていいよ、帰ろ』

｢そらぁー、はーやーくぅー｣

｢………そう言われても気になるんですけど｣

『……シカトしよ』

そう言って悠の服の袖を引っ張るとまたお兄ちゃんの声が上から聞こえた。

｢あーあ、はやく彼氏と2人で2階来てくれないとそらのスタンプなしの顔写真ツイートしちゃいそうだなー｣

『｢…｣』

｢じゅーう、きゅーう、はーち、なーな、ろーく……｣

『｢………………｣』

｢ごお、よん、さん、にい、い____｣

『わああああ待って待って速い速い!!!

いま！ 今行きます！』

またバタバタと階段を駆け上がる。

｢ええ…なんで俺も…？｣

今度は悠も道連れで。

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