え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。【となりの坂田。】

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坂田side

あーあ、ほんま最悪。

遅刻してうらさんに怒られるし志麻センコンビには笑われるし。

なにより、Aとちょっとしかおしゃべりできひんかったし。

そらるさんと今日配信するらしいし。

あーあ、Aの可愛さがリスナーにバレてまうんか。

変な勘違い野郎が沸かんかったらええんやけど。

彼氏のなりすましとかも出てくるんかなぁ…

でも“俺が彼氏です！”って大声で明言するわけにもいかんしなあ。

｢あー、最悪…｣

あまりにも憂鬱すぎてそんな言葉が口からついて出た。

そう、ほんまに最悪。

志麻くんに“お前らのキス写真そらるさんに送るぞ”って脅されて最新のたっかいホラーゲーム買わされたし。

“浦島坂田船のげつようび。”中もずっとぼーっとしてたせいでリスナーさんにも心配される始末。

｢坂田、そんな心配しなくたってAちゃんしっかりしてるんだからそらぴのサポートさえあればしっかりできるって。

むしろ俺が心配なのはお前の方だよ。
ぼーっとしすぎ｣

怒ったように眉を吊り上げながらばこっと俺の頭を叩いたうらさんを睨む。

｢うらさん…別に俺、Aのことを心配してる訳ちゃうもん。
Aはしっかりしてるんは俺の方が知ってるし。

ただ、ただ俺は変な虫が沸くんを心配してるだけやし…｣

｢それもっとやべぇよ…｣

呆れた顔で呟くうらさんと苦笑するセンラ。

まーしーはもうすっかり興味を失ったようでスマホをいじり出し始めた。

｢まーしーっ、何見てんの？｣

後ろからウザ絡みをするとあからさまに嫌そうな顔をするまーしー。

｢うわっ、うぜぇ……｣

酷い…ゲーム買ってあげたのにぃ…

｢そんな嫌な顔せんといてや……ん？｣

まーしーのスマホ画面をよくよく見ればそれはそらるさんとAの配信だった。

｢は？ まーしー抜け駆けすんなや俺やってずっと見たかったのに!!!｣

｢うるせぇ…耳元で叫ぶなや｣

打ち合わせ中に配信の通知来た時こっそり見ようとしてうらさんにどつかれたのに……!!!

｢じゃあお前も自分のスマホで見りゃいいじゃん…｣

｢抜け駆けってなんなんですか抜け駆けって。
見てまえばそんなん同じでしょうが｣

呆れ顔で2人が言うのを右から左へ受け流す。

イヤホンは付けずに音をそのまま流すと他の3人も集まってきた。

A、どんなことやってんのやろ…？

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