え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。【となりの坂田。】

・ ページ35

Aside

むくり、と布団から起き上がる。

すぐ隣にはぐうぐうといびきをかいて悠が眠っている た。

片足をベットの外に放り出して、むにゃむにゃと何かを呟いてる姿は少し可笑しい。

ふふ、すごい寝相。

えーと、今日は何曜日だっけ。

ベットサイドを探ってお気に入りの赤いケースをつけたスマホを掴む。

今10:00か…

今日は月曜日、あのキス事件から1週間。

確か今日は…そう、お兄ちゃんと配信の予定があった。

私わざわざ会社休んだんだからね。

配信は夕方からする予定らしいが、お兄ちゃんと午前から遊ぶ約束をしていた。

あーあ、二度寝したかったのに…

いや、その前に朝ごはん作らなきゃ…

そう思ってベットから抜け出そうとすると悠に手首を掴まれる。

『…起きてるの？』

｢今起きた。
Aおはよう｣

寝癖だらけの頭をぶるぶるして目を覚ましてから、悠はにっこりと笑顔をうかべた。

『おはよう、悠。

朝ごはん食べよっか』

｢うん！｣

キッチンに移動すると悠もひょこひょこと後ろを引っ付いて回ってくる。

朝ごはんと言っても大したものは作らない。

ご飯と味噌汁と魚を焼くくらい。

それでも悠は美味しい美味しいと満面の笑みで食べてくれるから作りがいがある。

｢『いただきまーす』｣

手を合わせてご飯を食べ始めると、毎朝恒例のお互いのスケジュールチェックが始まる。

同棲するにあたってのルールの中に
“お互いのスケジュールを把握する”
というルールがあるからだ。

｢A今日どんな予定あるん？｣

『私お兄ちゃんと出かける。

えーっとなんだっけ＿つ、ついきゃ？』

あれ、名前が出てこない。

やだ、私ってもう歳なのかな…？

｢ツイキャス、な｣

私が軽くショックを受けてると悠が言う。

『そうそう、それそれ。
夕方から配信するんだって。

午前中は普通に2人で買い物かな。
夜ご飯の時間までには帰るよ』

そう言うと悠はにこにこと笑って“楽しんできてな”と言った。

『うん、ありがと。

悠は？』

｢俺はうらさんちでいつもの4人と打ち合わせ。
俺も夜ご飯の時間までには帰れるー｣

『ん、了解』

その時2人のスマホが通知音を鳴らす。

『｢え?!?!｣』

画面をみるなり2人共顔を青くして叫んだ。

『私集合時間まちがえてた…
お兄ちゃんもう待ち合わせ場所いるって…』

｢俺も集合時間まちがえてた…
うらさんガチギレしてるって…｣

この後大騒ぎ＆大急ぎで準備をしたのは言うまでもない。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す