え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。【となりの坂田。】

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坂田side

突然謝られて俺の頭は真っ白。

え、A謝る要素あった？

今回って自分で言うのもなんやけど100%俺が悪いやんな。

逆に俺不安なんやけど。

｢え、ごめんって………何が？
Aなんも悪いことしてないやん｣

どっちかというと悪いことしたのは俺の方やもん。

それでも、Aはしゃくりあげながらとぎれとぎれに言う。

『だ、だって…私、勝手に悠が、う、浮気してるって決めつけちゃって……』

うーん、大方そらるさんかまふあたりに俺の活動のこと聞いたんかな？

Aは責任感が強い方やからなー、そういうことは律儀に気にしてしまうんやろな。

｢…うん、別に怒ってへんよ。
誤解されるようなことした俺の方が悪かったし｣

できるだけ優しい声色を心がけて、恥ずかしさを堪えてAをぎゅっと抱きしめれば細い声が返ってくる。

『うん、本当私の方こそごめん…
私も冷静じゃなかったし…

………悠はちゃんと、違うって言ってたのに…』

Aはしょぼんとして体を縮こませる。

あ、まってまってしょんぼりせんといてかわいいから！

｢ほんまに怒ってへんから！
気にせんくていいし、ほら、泣かんといてや…｣

『うん…ほんとごめん…』

｢じゃ、仲直りしよ？｣

『うん、ありがと…
ご飯するね…』

｢俺も手伝うな｣

『うん…』

仲直り(ほぼ無理矢理)をしたものの、Aはずっとぼーっとしている。

ご飯も一緒に作った＿＿＿＿まあほぼ俺はお皿出しただけなんやけど＿＿＿＿けど、Aは時々ハッとした様な表情をして、またぼーっとするの繰り返し。

ご飯を食べてる時も、テレビを見つめながら笑うこともせずにひたすらもぐもぐしてるだけ。

………ほんまにどうしたん？

｢お、おーい、A？｣

『ん…………』

｢A！｣

『う……あ、悠どうしたの？
ご飯美味しくなかった？』

肩をとんとんと叩いて名前を呼ぶと、やっと俺に気づいた。

キョトンとした顔でこちらを見つめている。

｢いや、ご飯は美味しいんやけど…
なんか今日おかしいで？

ずっとぼーっとしてるし｣

そう言うと、Aは顔を赤く染めてぼそぼそと言った。

『うん、まあね…なんか、勘違いしてたのが恥ずかしいなって…』

｢なんで？
妬いてくれたってことやろ？｣

俺の愛は重いって他の奴には言われ続けてるから、リスナーに妬いてくれたって知った時は嬉しくてニヤけそう(というかニヤけてた)やったんやけど。

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