え？ 彼氏？ 普通に一般人ですけど。【となりの坂田。】

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Aside

何がいけなかったんだろう。

お互い不満が無いわけではなかったけど、それなりに分かりあってきたつもり。

料理だってメイクだって、ものすごく上手な訳じゃないけど人並みには頑張ってきたつもりだし。

でも、それだけじゃ駄目だったのかな。

高校の時から悠の周りには陽キャであるキラキラした女の子が沢山いた。

私だって陰キャという訳じゃなかった。

でもやっぱり、悠の周りの女の子と同じようにはできなくて。

先に告白してきたのは悠だったけど、普通に私も悠のことが好きで、取られてしまわないかいつも不安だったし。

『はあ…もう疲れたな』

いつものように改札を抜け、自宅へ向かう電車に乗る。

帰ったらまずなんて言おう、悠はなんて言うんだろう…そんなことをずっと考えていると手の中のスマホがLINEの通知音を鳴らす。

センラくんAちゃん

『センラくん？ 珍しいな…』

センラくんは高１の時同じクラスでそのまま悠繋がりで仲良くなった友達だ。

センラくんもしかしてもう家帰っちゃってる?
Aううん
A今電車乗ってるとこだよ
センラくんよかった

『よかった…？』

それはどういうことなのだろうか。

Aどうしたの?
センラくんあのな、坂田のことなんやけど
センラくんあれ浮気ちゃうねん

センラくん、悠の浮気のこと知ってるの？

悠が相談でもしたんだろうか。

いや、くろちゃんと翔太くんが家に来たと言っていたしその時に彼も来たのかもしれない。

センラくん坂田な、実は______

『?!?!』

センラくんから送られてきたトークを見て、絶句する。

私はなんてことをしてしまったんだろう。

悠は、何も悪くなかったのに。

私はただただ呆然と、その画面を見つめ続けていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿その頃、そらる宅では
まふまふside

Aちゃんが帰った後、そらるさんはおもむろにスマホを取りだしどこかに電話し始めた。

｢そ、そらるさん？

誰に電話を……｣

｢あ、もしもし坂田？
今日のとこはお前ん家行かないであげるね。

そのかわり明日俺ん家来てもらうから。
え？ あはは、気にしてなんかないって。
ほんとほんと。

じゃあ明日、しっかり話し合おうな…？｣

〈#h&h@?h@＄,”fgsf_#&!!!〉

スマホの向こうからさかたんの声にならない叫び声が聞こえる。

さかたん、ご愁傷さまです…

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