今夜 ページ8
『あ、夕飯が出来たから呼びに…』
紫呉「そっか、ありがとう」
紫呉「しーちゃんしーちゃん!師範のお布団夾君の部屋に
運んでいい?」
紫呉「どうぞどうぞ」
紫呉は先程の会話など嘘のように自然と会話をする。
それを見守る藉真にAはそっと声をかけた。
『藉真さん、まさか…夾の…』
藉真「それに関しては鋭いようだね…今夜、私に時間を
貸していただけませんか?透さんも一緒に」
『…っ!その決断で…いいんですか…下手したら夾と
透ちゃんの仲は…昔の私と紫呉と同じように…賭ける
つもりですか』
『…分かりました』
そして、今夜…
夾「師匠、さぁ…話なんか別に外でなくてもいいだろ?
こういう日はダメだって知ってるくせに」
家の外で夾はダルそうにそう話す…
気圧の変化の所為で姿勢もいつもより猫背になる。
藉真「私の祖父もそうだった。雨の日は体調をよく崩していた
そうだ…猫憑き故か【本来の姿】の物の怪が雨を嫌う故か」
【本来の姿】という言葉に
夾はポケットに突っ込んだ手が
Aは背中に隠している手がぴくりと動く。
白と赤、白と青の数珠を付けてる手首の方だ
藉真「…そろそろ【本来の姿】の事もきちんと受け止め
なくては、前に進めぬよ」
『(あぁ…同じだ…同じ場面だ…)』
__慊人「ねぇ、【本来の姿】を受け止めなよ…それに
そろそろ紫呉達に見せなよ…」
『受け止めてる…私は__憑きとして生まれた時点で
終わってる代物なんだって…』__
夾「受け止めてるよ…俺の人生はその猫憑きとして生まれた
時点で終わってる代物なんだってね」
夾「それが鼠の…アイツの所為だって事も。アイツが
そもそもの原因だって事も!!」
藉真「変わっていないね…お前は、これからもそうして
生きていくのか…耳を塞ぎ、目を閉じそんな事でしか自分を
保っていけないのか…そして…そして死んでいくのか…?
たった1人で…」
透は幾つかのあるワードに引っ掛かった
藉真「お前は言ったな…此処が【嫌】だと…だが違う…お前は
嫌なのではなく…逃げようとしているだけだよ…」
藉真は夾の左手を掴んで引き寄せる。
藉真「【ぬるま湯】と称した温かい【もの】が自分を癒やして
いくのが分かる…だが【本当】の事…【本来の姿】を
知られたくはない…知られて失うのが怖い…その曖昧な
状況から、お前は逃げようとしているだけだよ」
夾「……ちが」
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柚木葵(プロフ) - 黒灰白有無%さん» ありがとうございます✨もう1つの作品…あぁ、紅野オチの!!両作品を読んでいただきありがとうございます!更新速度が低速野郎ですが、気長にお待ちください💦 (8月16日 12時) (レス) id: 07f1144e2b (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - やっぱりとても面白くて大好きです!!読み返しに来たら話数も増えてて嬉しいし,フルバのもう人作品の方も読ませて頂きていたのですがまた雰囲気が違ってこちらも凄く好きです!!これからも応援してます.無理しない程度に頑張ってください!!! (8月16日 8時) (レス) @page44 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
柚木葵(プロフ) - ゆりりんさん» ありがとうございます💦お気長にお待ちくださいm(_ _)m (6月22日 10時) (レス) id: 07f1144e2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 紫呉さん大好きなのでこれからも楽しみにしてます!更新待ってます!! (6月22日 1時) (レス) @page43 id: 9b1afb3a44 (このIDを非表示/違反報告)
柚木葵(プロフ) - ワッフル魔神さん» ありがとうございます〜✨お気長にお待ち下さい💦 (2023年2月23日 21時) (レス) id: 07f1144e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚木葵 | 作成日時:2021年11月7日 0時