そう思っているのはアナタだけ…2【フルーツバスケット】

藉真 ページ6

紫呉「A、起きて」
『……ん…あ、おはよう…』




ボーッとした意識の中で透達が帰ってきたのを
見て、もう1人居間にいる事を認知した




『…えっと…』

紫呉｢おやおや、お義兄さんをお忘れかい？｣
『…っ！か、藉真義兄さん…！』

藉真｢久しぶりだね、A｣
『な、何で此処へ…』






Aの義理にあたる藉真が紫呉宅に居ることに
驚いてるAは10年前のことが頭に過る






藉真「あの､先程お見かけした時はもう御一方いらしたと
思うのですが…｣

『えっと…あ､透ちゃんなら今……』
透｢失礼します｣





お茶を入れていた透はそっと入ってきて藉真の方へと
湯のみを置く｡





藉真｢ありがとうございます｣
透｢いえ…あの､初めまして｡本田透です｣

藉真｢草摩藉真です…そうですか､アナタが…｣
透「…？」

藉真｢アナタのお噂は予々…十二支の事もご存知だそうで｣

透｢は､はい…｣
藉真｢…そうですか｣


紫呉｢夾くん､そんな端っこにいないで挨拶したらどうだい？
君も去年の山篭り以来なんでしょう？」

『再会出来て嬉しくないの？』





そのまま無言で居間を出ていってしまった｡





藉真｢…夾の自室はどちらですか？｣
透｢あ､えっと…2階の1番右端です…今ご案内を……｣

藉真｢いえ､それだけ分かれば結構ですよ｣




藉真も夾の後を追うように居間を後にする｡
透は心配そうに見ていたが楽羅と紫呉は可笑しそうに笑った｡




楽羅｢らしいねぇ｣
紫呉｢ホント｣
『…だよね』


透｢何がらしいのですか？｣
楽羅｢ふふっ｡あのね？夾くんらしいって話｣

透「夾くん、らしい…？」

楽羅｢夾くん本当はすっごく嬉しいんだけど､その姿を私達に
見せたくないのよ」

『特に､由希にはね…』





それを聞いて､由希は顔を逸らす夾の態度に納得が言って
同じく笑みがこぼれる｡






透｢照れてるんですね｣
楽羅｢そうそう！｣


透「ところで…Aさんのお義兄さんって…」


『私の父親…バツイチでね、再婚して藉真さんの母親と
くっついて…蒸発して…私の家計は本当に複雑なの』




紫呉「夾や由希、はーくんより先に武道を習っててね…」
『一応…関東大会出た…』




透「た、大会ですか？！』
『準優勝だけどね…』

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