そう思ってるのはアナタだけ【フルーツバスケット】

同期4人 ページ42

別荘の外のテラスで



A/紫呉
はとり/綾女


順に座りお茶をしていたら綾女が1枚の封筒をはとりに
差し出した｡




綾女｢はいコレ」
はとり｢…何だ？」

『何が入ってるの？』

綾女｢写真さ！佳菜君の結婚式の…見る見ないはとりさんの
自由だよ」


紫呉｢ウソ､何あーや行ったの？」
綾女｢ノンノン！繭くんから貰ったのさ！」




聞こえた1つの名前に､紫呉はピクっと反応する｡




『綾女､繭ちゃんと会ったの？』

綾女｢そうとも、ぐれさんを｢さざ波｣と称した揚句
1ヶ月で別れたあの繭くんと会ったのさ！」

紫呉｢あ…｣

はとり｢あぁ…佳菜とは大学の友人で､紫呉とは1ヶ月で
別れたあの｢繭子｣か」

『繭ちゃんなら紫呉のこと任せれると思ったけど』ｼﾞｯ
紫呉｢いや､その､あの頃は僕も若くて…｣





アイタタ…と紫呉は頭を抱えるように扇子を額に当てる｡




『アンタ…マジでどーなってるのよ』ｸﾞｲｰｯ
紫呉「イタタタ…」




Aは別れてから紫呉の相手は大丈夫だろうかと
思っており、繭子が相手だと知った瞬間

繭子なら大丈夫だろうか…と心配していたらしい


で、今…Aは紫呉の耳を引っ張る




綾女「(ぐれさんとAもあの頃と変わらないね)」

はとり「(例の事件が起きてから…距離を置いのにも
関わらず…今じゃあの頃と変わりないな)」




例の事件…何があったのだろうか





綾女｢イヤしかし､はーさんも結局式に行かなかったねぇ…
やっぱり会いたくないものなの？」

はとり｢フラッシュバックが怖い…佳菜には重ねがけを
施していないし､何かの拍子に思いだしたりしたら
困るだろう」



綾女｢困るのかい?もしそれで思いだしたとしても､もう1度
ラブラブになれるかもなのだよ？」

紫呉｢花婿から奪っちゃうの？｢卒業｣みたいだねー」
『ドラマチックだねー』

はとり｢あのな…｣




はとり｢終わったんだよ…俺と佳菜は､もうやり直す事はない｡
一緒にいても､寂しくなるだけだ…｣







何も知らず過ごした､あの日の2人にはなれない｡





負い目や引け目は消えない｡





シミのように広がって､佳菜の心を疲れさせるだけ｡






病んでいくだけ｡







はとり｢…愛情が消えたとは思いたくはない…でも､側にいて
欲しいとは思わない…会う気もない…今はもう､祈るだけだ」









倖せに








綾女｢納得いかないね！！」





綾女の1言で紫呉、はとり、Aが綾女の方を向く

見守る→←ゆっくり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す