そう思ってるのはアナタだけ【フルーツバスケット】

すっかり2月 ページ16

『うぅ…サッム…冬の洗濯物は地獄…』



子供達が学校に行っている間、Aは
霜焼けになりながら洗濯物をしていた


夕方になり、玄関が騒がしいと思えば




『あれ、楽羅…？』
楽羅「あ、Aちゃん！久しぶり！」









楽羅｢だってバレンタインだもん｡恋人同士の大切な
イベントだもん…」

夾｢誰と！！誰が！！」



紫呉｢夾くん余計なツッコミいれないの！」
『家が壊れるから辞めてよね』

夾｢くそぅ…やっぱ無理にでも旅に出りゃよかった｡
まさか明日がバレンタインだったとは…」

紫呉｢で？チョコはあげたの？」



楽羅｢ううん｡今日はお誘いにきたの！明日1日､一緒に何処か
行かない？チョコも明日…渡したいし」

夾｢あ"あ"！？｣

透｢うわぁ…！それってデートですか！？｣

楽羅｢え、や､やだそんな…！透くんもそんなはっきり
言ったら…恥ずかしいじゃない…！」

夾｢冗談じゃねぇ｡ぜってぇヤ！！」





楽羅｢するんだよ…っ」

夾｢嫌だってんだよ！大体なんで俺がそんな事
しなきゃなんねぇんだ、オメェなんざと！！」

楽羅｢酷い｡そんな…少しぐらい､優しくしてくれたって…」
夾｢泣〜く〜な〜！」





なんだかんだで女の子の涙に弱い夾｡
泣き出した楽羅に困ったように倒れ込んだ｡




紫呉｢あーあー｡もう見ていられませんわ」
『イチャつくなら他所でやっておくんなまし』


夾｢紫呉、A…テメェ､他人事だと思って」



楽羅｢そうだ！じゃあこうしない？ゆんちゃんと透くんも
混ぜて､Ｗデートにするの！」

由希/透｢えっ？｣




2人は湯呑みを手渡して受け取りの状態でこちらを見る｡




紫呉｢おぉ！それはいいね！｣
楽羅｢だよね！？そう思うよね！？｣


由希｢ちょ､ちょっと待って！｣
夾｢おい、なんで俺がクソ由希と…！｣


『Wデートだってさ、透ちゃん』
透｢はい！私もデートなど初めてです…！｣




夾が折れる形でWデートが決まったのであった
帰り際､楽羅は夾の手を握って嬉しそうに笑う｡




楽羅｢じゃあ明日ね！楽しみだね…！」
夾｢全然っ」

楽羅｢あのね､春ちゃん言ってたよ…夾くんとゆんちゃん
仲良くなったって…」




楽羅「お互いをもっとよく知りあえばもっと仲良くなれる
かもって…そうなったら…私も嬉しいな」




そう言って､楽羅は帰っていった｡





しかし､夾はそのまま立ち尽くしてしまい


夾に玄関に座った紫呉とAが揶揄うように
語りかける｡

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