そう思ってるのはアナタだけ【フルーツバスケット】

大晦日 ページ6

紫呉｢ごめんA｡本の
整理頼んじゃって｣

『んーん、全然。あ、この本興味深い…』





今日は全員で暮れの大掃除だ｡透､夾､由希は部屋の掃除や
障子の張替えを行い


圧倒的に部屋が荒れている紫呉の部屋をAが
手伝っていた





本を紐でまとめると､紫呉はそれを居間の方へと移動させる｡
今日はこれを何往復するのか…




紫呉｢ふぅ…本って意外と重いよねぇ…捨てるの勿体ないけど､本家に送ると怒られるしなぁ｣

夾｢Aにやりゃあ良いんじゃねぇの？｣





夾がAの方を見てそう言って紫呉とはとりの次に
読者好きのAに紫呉は｢なるほど｣と手を叩く




紫呉｢A〜｣
『なーに？』


紫呉｢良かったら気になる本があったらあげるけど…
僕はもう読まないし」

『いいの…？なら貰うけど』

紫呉「仕事場の本棚に入れても良いし…あ、いっその事
本棚買っちゃう？｣

由希｢紫呉…あわよくば、そこに本を避難させようと
してない？｣

紫呉｢やだなー、由希くんってば、そんなワケ｣







「そんなワケないでしょ？」と言おうとしたら
Aがバッ！と紫呉の方に距離を縮めた







『さっすが、紫呉！じゃ、何冊か貰うね』







ほんわかと嬉しそうな雰囲気を出すものだから
紫呉はつい頬が緩んでしまう








紫呉「Aも丸くなってきたね」
『ん、なんのこと？』







申し訳なさそうに透が紫呉に声をかけた





透｢あ､あの紫呉さん｣
紫呉｢ん？｣


透｢あの…厚かましいお願いで恐縮なのですが､実は
おじいさんから連絡があって､お正月は皆さんでハワイに
行くそうなのです…お正月もこの家にいさせていただいても
良いでしょうか？｣



紫呉｢うん｡勿論それはいいんだけどね…｣








了承したものの、どこか歯切れの悪い紫呉に
透はキョトンと顔を見合わせた









夾/由希｢絶対帰らない！！｣


夾｢数ヶ月も家を出てた奴が正月だからってホイホイ帰ると
思うか！？｣


由希｢宴会になんか出席したら､本家を出た意味がない
じゃないか｣





夾/由希｢絶対帰らない！！｣


紫呉｢困ったねぇ…｣





台所で鍋の食材を用意していた透達は居間から聞こえてくる
会話に傾げつつも食材を運びがてら聞いてみる





透｢どうしたんですか？」
『ずっと言い争いをして…』


紫呉｢聞いてよ透くんー、A〜！2人共お正月草摩に
帰らないって言うんだよォー！」

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