私は皆と一緒に居たい…【フルーツバスケット】

思い知る ページ30

ありさ｢でもお前らって､ちっこい頃から色々
大変だったんだな…」

透｢そんなこと全然ないのです！自分達がどれほど果報者
なのか…最近、思い知ったばかりなのです｣

『だね…きっとどんなにお金持ちで裕福だったと
しても､今これ以上の幸せなんてないと思う』




Aは目を閉じて母親の沙織を脳裏に思い浮かばす




透｢草摩の方達と一緒に暮らせて｡お母さんには愛されて」

『咲､ありさという､友が2人もいるから…いつも側に
いてくれて､それがどれだけ幸せなことなのか､ちゃんと神に
感謝しないと､本当にバチが当たる…』

A/透「……大好き/です｣





咲とありさは由希と夾の言葉を思い出す





＿＿夾「アイツらは､そういう事気にする女じゃねぇだろ」

由希「本田さんと霧山さんは､無いものねだりするような人
じゃないからね」＿＿





ありさ「分かってるじゃん｡アイツらちゃんと」
透｢え？｣

咲｢そうね｡やっぱり､透くんとA君はそういう子よね…」
『何がどうしたの…？』







欲しがってばかりいずに…今、此処にあるものを
大切だと思える気持ち…





咲｢無敵の友情…」
ありさ｢だな」

透｢はい…！！｣
『そうだね…』





今いる大切な人達を､大切な幸せを

これからもずっと､もっと大切にしていきたいと願う｡






『ふぁ…おはよう』
夾｢おう…｣




翌朝､Aが起きて、夾が冷蔵庫から牛乳を取り出し
挨拶を交わしたAをじっと見る｡






『…ん、なに？』
夾｢…いや｣

透｢あ､草摩くん！おはようございます！｣




透の声にトテトテと何処かぼーっとした
足取りで歩く由希に目を向ける｡

そして由希は夾の目の前でピタリと立ち止まる｡




由希｢………」
夾｢おい由希…？お前…」





静かすぎる由希に夾が恐る恐る声をかけると､
由希はそのまま夾の肩にもたれかかって再び寝始めた｡





『由希くん…』(汗)

透｢草摩くんは相変わらず朝が弱いのですね！」
夾｢さっさと目を覚ましてこい…！！」




青ざめた夾など目もくれず､由希はそのまま
フラフラと洗面所へと向かう｡





透｢草摩くんに勝ちたくとも､寝込みを襲う
真似はしないのですね！！｣

夾｢違ぇよ｡アイツは､寝ぼけてる時の方が強ぇんだよ…！！」


『なんか…分かる気がする』
透「…っえ、分かるのですか？！」


『いつもは手加減してるってことなんだよ。
お母さんの血を受け継いでるから分かる』←←

良い方向に→←世間は狭い

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