私は皆と一緒に居たい…【フルーツバスケット】

本が好き ページ25

草摩家で暮らせるようになり
紫呉､由希､夾｡


そして霧山Aと本田透の5人暮らしとなった｡


そして､今まで個人の部屋がなかった夾の為に
2階の紫呉の書斎の本を下へと移す作業を行っているのだが…




夾｢見てみろ！テメェよりも早く本棚埋めたぜ！！」
紫呉｢夾くんはカバーを引きちぎりすぎ」




ギャーギャーと騒ぎながらも進んでいく中で
夾はふと先程から気になる事があった｡





夾｢おい、あれ｣
紫呉｢ん、おや？｣




夾と紫呉､そして透達が見る先には､
隅っこで本を読むAの姿があった｡





透｢Aちゃん本が大好きなんです！前のお家にいた頃も
お部屋の中の殆どが本棚だったんですよ！｣

由希｢でも､部屋に本が無いよね？｣




由希は1度、Aの部屋にお邪魔したことがあり
その時見た部屋には本棚がなかった



透｢それは…Aちゃんのお母さんが亡くなった時…
あとの生活の為にって持っていた本を全部売って
しまったんです｣

由希｢えっ…｣


透「お洋服も、家具も…自分が必要なものだけ残して
全部売ってしまったんです」


紫呉｢そうだったんだ……｣





殆ど売ってしまい、服、家具、本はまた買い直せば良いと
言ったのだった





紫呉｢つゆちゃん！｣
『ん？』


紫呉｢此処にある本､好きなだけ読んで良いからね！！」

『うん、ありがとう…』
紫呉「なんなら持ってても良いんだよ！？ね！｣

『…っえ？良いの…？』
紫呉｢良いとも！！｣




読書好きとして…なんとも、いたたまれない
気持ちになったのだろう｡


紫呉はAの肩を掴んで必死にそう投げかけていた｡




『よ、読み終えたら返します…』
紫呉「置いといて構わないよ！！」


由希「(流石の紫呉も霧山さんには弱かったか…)」

夾「(アホ)」





そんな紫呉を夾と由希が冷めた目で見ていると
ピンポーンとチャイムが鳴った｡


『あ…』
透｢来ました！｣




そう､今日は部屋の片付け以外にも､草摩家にはもう1つ大切なことがあった｡





『いらっしゃい』

透｢道に迷いませんでしたか？それじゃあ改めまして
ご紹介させて頂きますね！魚谷ありささんと､花島咲さん｡
私達の大切なお友達です！！」


ありさ｢ウース｣
咲｢どうも…｣





何故この2人が家を訪れたのかと言うと…2人にだけは､
草摩家に居候している事を話したいと相談したのが
きっかけだった｡

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