私は皆と一緒に居たい…【フルーツバスケット】

ただいま ページ24

出会ってから､初めて自分の思いを､感情を
口にしたAを見て､


夾は目を見開くとAの手を優しくとって歩き出した｡




夾｢…さっさと帰るぞ｣




突然の手の温もりに戸惑っていると､
もう片方の手を誰かが優しく握る｡





透「Aちゃん」
『と、透…』

由希｢帰ろう？一緒に｣
『由希くん…』





Aは花が開いたように笑顔を見せた｡




草摩家に帰ると拍手しながら紫呉は玄関に居た





紫呉｢お姫様強奪おめでとうー！！｣


『ご、強奪…』

由希｢救出って言ってよ｡やめて」
夾｢何かそれ人聞きが悪ィぞ｣


透｢あの…帰ってきてしまいました｣

紫呉｢うんうん｡大丈夫！後の問題なら僕に任せなさい！
つーか僕なーんもしてないんだけどね」


透｢だっ､だめですそんなこと！！」
『これ以上ご迷惑かけられ…』


紫呉｢良いの良いの！透くんとA君はいつも通りに
戻ってくれれば」




紫呉は夾と由希を見た




紫呉「ものすごい勢いで住所を奪って､飛び出してった2人の
努力も報われるってもんですよ｡いやぁ、あんなに
取り乱してる由希くんは初めて見ましたよ」


『っえ？』


由希｢な！別に取り乱してなんか…っないよ…」
夾｢ウソつけっ！未練タラタラの顔してたくせによ｣




紫呉の言葉に頬を赤らめたのも一瞬｡


夾の言葉を聞くなり直ぐにご自慢の蹴りが飛んだ｡





『わぁ…吹っ飛んだ…』


由希｢それはお前だ」
夾｢クソ由希ィィっ！！」




いつも通りに喧嘩を始めた2人を眺めつつ､
紫呉は優しい眼差しで透達を見る｡




紫呉｢こんな家だけど､よろしくね？透くん､A君」
透/A「…はいっ」




夾｢今日こそぶっ飛ばす！！｣
由希｢やれるもんなら、やってみな｣


『あー…夕飯にするんだから、あんまり暴れないでよ』

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