私は皆と一緒に居たい…【フルーツバスケット】

悲しいのか ページ17

透｢冷蔵庫に入ってる塩辛は
早めに食べて下さいね｡
お醤油ももう少しで切れちゃいます｣

『それと､不燃ゴミを出す曜日が
変わりましたので気をつけてください｡あとは…あ』





胸ポケットからAはメモ紙を出した




『お爺さんの家の住所です｡一応､渡しておきます』

紫呉｢いよいよ明日か…｡色々お世話になっちゃったね」
透｢いいえこちらこそ！」

『あ、草摩の秘密は死ぬまで決して誰にも話さないので』
透｢胸の内に大切に閉まっておきます｣

紫呉｢……新しい家でも､頑張って｣

透｢はい！私達は滅気ません！｣
『短い間…今までお世話になりました』




2人が2階に戻ると､紫呉は黙ったままの
由希と夾をチラリと見る｡






紫呉｢止めるかと思ったよ｣

由希｢…初めから､改築が終わるまでって話だったじゃないか」
夾｢アイツらが､他人がこの家にいた事の方が､変だろ｣


紫呉「(じゃあ､なんでこんなに空気が重いんだい？)」





一方、Aは…




『あの家にお邪魔するのか…』




お祖父さんとは縁があるが
赤の他人の自分は大丈夫だろうかと思う




『(お母さん、今日子さん…私達、大丈夫かな)』




2人が写っている写真を見る
本田今日子と、霧山沙織だ。





『また、2人のお墓参りとか行けなくて…ごめん…
今日子さんの1周忌の時に母さんも同時にするよ』









翌朝｡紫呉は食卓に用意された朝食と､
｢温めて食べてください｡｣というメモを
見て呟いた｡








紫呉｢…行ってしまったみたいだね｡
あっさりしているけれど､物悲しい気持ちに
なるものだね｡透くん､A君｣

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