lady forty-three ◎ ページ43
信ちゃんが倒れて5日後…
この生活に不満なんて無かった｡
行為なんて要らない。
信ちゃんから 抱きしめてもらいながら、
隣で寝られるならそれでいい。
充分すぎるほど幸せじゃん。
男｢Aさん、指名です｣
指示されたテーブルに1人の若い男性がいた
｢こんばんは。宜しくお願いします｣
男｢あぁ… こんばんは｣
そう笑った彼の顔が一瞬だけ怖かった｡
男｢Aさんはお店で人気あるんですね ｣
｢有難いことに｣
普通のお客様｡
でもこの人は違った｡
男｢では、ちなみにですけどこの男もAさんを指名されて？｣
思わず作業中の手が止まる。
差し出された写真｡
彼の言う… "この男" の写真｡
男｢あぁ知ってるんですね？｣
ダメ｡
しっかりしなきゃ自分｡
｢あ、TVで見たことありますね｣
信ちゃんの写真。
信ちゃんが… 危ない。
男｢おや、知り合いではないんですか？｣
｢有名な方がこんな所来る暇あると思います？｣
男｢しらを切るつもりですか。｣
男がため息をつき、
衝撃の事を放つ｡
男｢実はあなたと村上さんが2人でいるところ撮っちゃいましてね｡｣
｢何者…ですか？｣
男｢申し遅れました｡ こういう者です｣
信ちゃんの写真をなおし
引き換えに差し出されたのは名刺
記者？
｢… その写真って？まさか人違いじゃ？｣
記者｢ぁぁ、ここでお見せするのは… ｣
悪い笑みを見せた男。
早退を告げ、
久しぶりに男を連れて店を出る｡
記者｢Aさんのことは調べさせて頂きました｡ どうです？条件アリでホテルでも？｣
私の嫌いな煙草吸って、
嫌味ったらしい顔してカバンから普通にカメラを取り出す。
脅してるつもりか…
乗り切る｡
絶対こいつの思うようにはさせない。
｢いいでしょう。｣
彼は満足気に笑い
タクシーを呼び寄せる。
＿＿＿＿
＿＿
｢写真は？｣
指さした高級そうな一眼レフカメラ｡
ほらっと見せられた写真は
紛れもなく、信ちゃんと私だった。
どうしよう もう隠せない。
完全に顔見えてるもん。
記者｢村上さんが倒れた次の日の深夜ですね？｣
?!
どうして信ちゃんが倒れたのを？
記者｢俺 たまたま村上さんの仕事場にいましてね 病院までつけてて｣
え｡
記者｢可笑しいじゃないですか？よっぽどじゃなきゃ村上さん倒れりぁしませんよ。｣
退院後もつけていた と？
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作者名：りりん∞
| 作成日時：2017年7月8日 14時
