lady forty ◎ ページ40
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ＿
ん？
｢すみません。ちょっと出ても…？｣
男｢全然大丈夫！ ｣
優しい人で良かった…｡
お客様の元を離れる｡
仕事中は1度もかからなかった｡
今回初めてだから戸惑った。
｢ごめん。お客様の様子見といて｡｣
男｢了解です！｣
スタッフに伝え、
更衣室に駆け込む｡
1度は切れたコール。
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ＿＿
2度目…
見てみると
渋谷さん？
そういや、連絡先消してなかったや。
呑気に考え、
｢はい？もしもし｡｣
渋谷｢ヒナｯ！ヒナがｯ…！｣
第一声は。
必死な声で、渋谷さんが 信ちゃんの愛称を何度も叫ぶ声｡
｢え？ 信ちゃんが？｣
渋谷｢倒れてもうて、ほんで今病院… ｣
｢嘘ｯ?! それ、どこｯびょ｢お前は待っとけ。(渋谷)｣
え？
いや何？
渋谷｢分かってんのか？ ヒナやぞ？｣
あ。… うん｡
不思議と… 冷静だった。
体が対応してんのかも。
渋谷｢俺らがおるから、…大丈夫や。いつも通り待っとけ｡
あいつは笑って帰ってくんねんやから。｣
｢はい。｣
渋谷｢大丈夫な？｣
本当は、不安｡
心配でたまらない。
でも 大丈夫か？ って聞く渋谷さんとか丸山さんたちの方が
もっと、、大丈夫じゃないんだと思う。
｢大丈夫… です｡｣
渋谷｢声出てへんやないか。仕事してんの？｣
｢はい。｣
渋谷｢無理、すなよ？｣
｢はい。｣
もうそれからは はい。しか言えなくて、
その後の仕事は全部中途半端｡
どこか上の空｡
男｢Aちゃん、大丈夫?｣
お客様に心配されるほどとかどうかしてる。
でもそれが普通｡
彼氏が倒れたって聞いて
普通に仕事こなせるわけないじゃない？
だからって、早退して
信ちゃんが帰ってこない部屋で待ってるって？
そんなの益々心配で禿げそう｡
あの信ちゃんよ？
グループの中で1番忙しいんだって｡
丸山さんがべた褒めしてて
渋谷さんがよっぽど萎縮しちゃうほど…
きっと メンバーの人達皆さんが、信ちゃんのこと心配でたまらないはずだ。
それに、信ちゃんは有名人｡
普通なんかじゃなくて…
そこそこでも無くて、
TV付けたら 誰でも
この人は村上信五 って分かるほどの有名人｡
倒れたって、病院いるって、
そりぁ知られたら危ないよ｡
私が行くのは… 絶対許されない事だ｡
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作者名：りりん∞
| 作成日時：2017年7月8日 14時
