最後のｵﾝﾅにして。〝yellow〟 (ページ46)

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大倉side

今の亮ちゃんの目何も生きた感じがしない。

錦戸『なぁ､好きって何や。』

心細い声で俺を見る亮ちゃんの姿はほんとに頼りない男だった。

大倉『知らへん。』

錦戸『…あ？』

大倉『んなの、自分で確かめること。』

錦戸『大倉｡』

大倉『俺、助けてやんない。』

だって亮ちゃんと俺はもともと恋敵｡

俺がAをすんなり諦めたと思う？

好きだよ、まだ…俺は未練たらたらやねん。

目の前の亮ちゃんより情けない男は俺や。

ふらふらとコンビ二に寄ってみる。
店内見回した時。

大倉｢A??｣

数年ぶり｡ほんまに久しぶり。

さらに高校時代よりも大人びいて綺麗になってる彼女｡

また俺が狂わされる。
抱きしめたくなった。

欲求なんてそんなものとは別に。

純粋なあの頃にAが俺のモノだった時のように…

｢忠義??｣

大倉｢亮ちゃん…｣

ふと亮ちゃんの顔が浮かんだ。

｢え？｣

亮ちゃんの名前出した瞬間彼女の顔が曇る。

あなたside
｢ただいま。｣

横山｢おかえり｣

"おかえり!!"
あの声がない。

不思議そうに先輩があたしを見つめる。

｢あ！すぐ準備しますね！｣

先輩は同じ部屋にいるのに何もしてこない。
だからこそ信頼できる相手で優しい人なんだ｡

でもあの人と違いすぎて

あんなに愛情伝えてくれてたあの人とは正反対で。

いつの間にかあたし欲張りになってる｡

『おかえり』が聞きたいのはあの声??

さっきコンビニで忠義と会って急に思い出した｡

あなたとの最初の頃。

付き合ってもないのにあんなに好きだって言ってくれてた｡

でも悪いことなんてしない良い人で｡
必死であたしの事想ってくれてた｡

考えれば全部…今わかること｡

横山｢A?? 大丈夫??｣

｢…ん、あ。大丈夫｡｣

大丈夫じゃないのはわかってる。

横山｢や、お前の大丈夫は違うな間違いなく｡今日は休んでり。俺がする。｣

気づいてほしかったあたしの気持ちを…言葉を

亮君は気づこうとすらしなかった

でも横山先輩はそんなの関係なくすぐ見抜いてる。

大倉『あんま亮ちゃんばっか責めるのもあかんと思うで｡苦労するのはわかるけど。』

忠義なんかにわかんないよ、

大倉『本気で亮ちゃんは必死やねん。ずっとAの事好きなんわかるわ。』

亮ちゃんのことだから愛情表現下手なだけや。

って

あの眩しい笑顔で言われた。